HOME 国内、日本代表、五輪
競歩3種目で入賞3獲得!メダル復活へ、今村文男ディレクター「代表選考会、主要国際大会への強化期間が重要」/パリ五輪
競歩3種目で入賞3獲得!メダル復活へ、今村文男ディレクター「代表選考会、主要国際大会への強化期間が重要」/パリ五輪

男女混合競歩リレーの川野将虎、岡田久美子

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)7日目

パリ五輪・陸上競技7日目のモーニングセッションが行われ、男女混合競歩リレー終了後、日本チームの今村文男シニアディレクターが競歩3種目の総括を行った。

陸上初日の8月1日に行われた20km競歩では、男子は前回銀メダルの池田向希(旭化成)が7位で2大会連続入賞を確保し、古賀友太(大塚製薬)が8位に入ってダブル入賞を果たした。女子は藤井菜々子(エディオン)がただ1人出場したが、万全の状態を作れず32位にとどまった。そして、この日行われた男女混合リレーでは川野将虎(旭化成)と岡田久美子(富士通)のペアが8位に入賞、髙橋和生(ADワークスグループ)と柳井綾音(立命大)のペアは13位だった。

今回が初実施だった男女混合マラソンリレーについて、20ヵ国・延べ25チームが出場した中で、2チームを送り出したが「個の競技力の差がメダルや入賞圏内にとどまれたかどうか、明暗があったなと感じています」と振り返る。

5月の世界競歩チーム選手権が五輪の予選となり、そこで本番のリハーサルができてはいた。その中で、身体の休め方、短い距離のハイスピードへの対応など、課題を持って準備をしてきた。

それでも、「1本目の後に路面の硬さ、上り下りのダメージが結構あったという選手がいた。予測しなかった身体の反応があり、川野選手は2本目になかなかペースを上げることができていません。歩きが崩れた選手もいた」と振り返るように、想定以上に過酷なレースとなったようだ。

男子20km競歩は前回の銀、銅メダルから7位、8位に。入賞なしだった昨年のブダペスト世界選手権から巻き返しは図れたが、課題もまだ多い。

今村ディレクターは「代表選考会のある2月、3月の時期と、主要国際大会に向けた4~6月の強化期間が非常に重要になる」とし、川野が警告を2つ受けるなど歩型への対策、シューズの対応など「傾向と対策をしっかりと練りながらやっていきいたい」と話した。

また、女子に関しては岡田と柳井がリレーに専念するかたちをとったが、外国勢に目を向けると「上位のほとんどのペアが、個人種目に出た後でリレーに出て、しっかりと結果を出している」。50kmから35kmに距離が短縮されたことで、両種目を兼ねる流れも出てきており、「1種目に限定せず、2種目を同時に強化してくのも一つの取り組み」と今村ディレクター。

岡田が「最後の五輪」と明言したことで、女子の強化も急務になるが、「各カテゴリーで連携しながら、横断的で、断続的な強化」の必要性も課題に挙げた。

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)7日目 パリ五輪・陸上競技7日目のモーニングセッションが行われ、男女混合競歩リレー終了後、日本チームの今村文男シニアディレクターが競歩3種目の総括を行った。 陸上初日の8月1日に行われた20km競歩では、男子は前回銀メダルの池田向希(旭化成)が7位で2大会連続入賞を確保し、古賀友太(大塚製薬)が8位に入ってダブル入賞を果たした。女子は藤井菜々子(エディオン)がただ1人出場したが、万全の状態を作れず32位にとどまった。そして、この日行われた男女混合リレーでは川野将虎(旭化成)と岡田久美子(富士通)のペアが8位に入賞、髙橋和生(ADワークスグループ)と柳井綾音(立命大)のペアは13位だった。 今回が初実施だった男女混合マラソンリレーについて、20ヵ国・延べ25チームが出場した中で、2チームを送り出したが「個の競技力の差がメダルや入賞圏内にとどまれたかどうか、明暗があったなと感じています」と振り返る。 5月の世界競歩チーム選手権が五輪の予選となり、そこで本番のリハーサルができてはいた。その中で、身体の休め方、短い距離のハイスピードへの対応など、課題を持って準備をしてきた。 それでも、「1本目の後に路面の硬さ、上り下りのダメージが結構あったという選手がいた。予測しなかった身体の反応があり、川野選手は2本目になかなかペースを上げることができていません。歩きが崩れた選手もいた」と振り返るように、想定以上に過酷なレースとなったようだ。 男子20km競歩は前回の銀、銅メダルから7位、8位に。入賞なしだった昨年のブダペスト世界選手権から巻き返しは図れたが、課題もまだ多い。 今村ディレクターは「代表選考会のある2月、3月の時期と、主要国際大会に向けた4~6月の強化期間が非常に重要になる」とし、川野が警告を2つ受けるなど歩型への対策、シューズの対応など「傾向と対策をしっかりと練りながらやっていきいたい」と話した。 また、女子に関しては岡田と柳井がリレーに専念するかたちをとったが、外国勢に目を向けると「上位のほとんどのペアが、個人種目に出た後でリレーに出て、しっかりと結果を出している」。50kmから35kmに距離が短縮されたことで、両種目を兼ねる流れも出てきており、「1種目に限定せず、2種目を同時に強化してくのも一つの取り組み」と今村ディレクター。 岡田が「最後の五輪」と明言したことで、女子の強化も急務になるが、「各カテゴリーで連携しながら、横断的で、断続的な強化」の必要性も課題に挙げた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.17

世界陸連会長・セバスチャン・コー氏がIOC会長選に立候補 現役時代に男子1500mで2度の金メダル

9月16日、国際オリンピック委員会(IOC)はトーマス・バッハ会長の任期満了に伴って行われる次期会長選に立候補した7人を発表し、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が立候補したことを明らかにした。 コー氏は67歳。現 […]

NEWS 世界女王・北口榛花に特製『やり投ハイチュウ』贈呈!「やりより重たい」

2024.09.16

世界女王・北口榛花に特製『やり投ハイチュウ』贈呈!「やりより重たい」

女子やり投でパリ五輪金メダルに輝いた北口榛花(JAL)が9月16日に帰国し、都内で会見を開いた。その席でサプライズが待っていた。 7月16日にサポート契約を結んだ森永製菓から、やり投を模したケースにハイチュウなど、お菓子 […]

NEWS やり投世界一・北口榛花「悩み、もがき続けた1年」五輪金メダルとDLトロフィーとともに凱旋帰国

2024.09.16

やり投世界一・北口榛花「悩み、もがき続けた1年」五輪金メダルとDLトロフィーとともに凱旋帰国

女子やり投の北口榛花(JAL)が9月16日に帰国し、都内で会見を開いた。 光り輝くパリ五輪金メダルとダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルを手に帰国した北口。冒頭で「オリンピックとダイヤモンドリーグ・ファイナルと重要な試合 […]

NEWS 女子やり投アジア選手権入賞の久世生宝が今季限りで引退 「感謝の気持ちでいっぱい」

2024.09.16

女子やり投アジア選手権入賞の久世生宝が今季限りで引退 「感謝の気持ちでいっぱい」

女子やり投の久世生宝(コンドーテック)が9月15日、10月の佐賀国民スポーツ大会を最後に現役引退することを明らかにした。 久世は岡山県出身の29歳。幼少期から陸上に親しみ、中学では短距離が専門。倉敷中央高校進学後、体力強 […]

NEWS 女子やり投・右代織江が引退 08年インターハイ、19年茨城国体優勝

2024.09.16

女子やり投・右代織江が引退 08年インターハイ、19年茨城国体優勝

9月15日、女子やり投の右代織江(アースコンシャス)が自身のSNSを更新。今季限りで現役を引退すことを発表した。 右代は北海道出身の34歳。十種競技日本記録保持者の右代啓祐(国士舘クラブ)を兄に持ち、中学から陸上を始めた […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年10月号 (9月13日発売)

2024年10月号 (9月13日発売)

●Paris 2024 Review
●別冊付録/学生駅伝ガイド 2024 秋
●福井全中Review
●東京世界選手権まであと1年
●落合晃の挑戦

page top