◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)4日目
大会4日目は3種目で決勝が行われた。
男子100mは準決勝と決勝を実施。準決勝は決勝進出ラインが9秒93という〝史上最高レベル〟だった。3組に出場したサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は日本歴代2位の自己ベストを0.01秒更新する9秒96(+0.5)をマークしたが4着。プラスでの通過もならぶ、日本勢92年ぶり決勝という快挙はならなかった。
決勝はさらに凄まじい戦いが待っていた。ブダペスト世界選手権でスプリント3冠を達成したノア・ライルズ(米国)と今季世界最高の9秒77をマークしているキシェーン・トンプソン(ジャマイカ)が競り合うようにして、ゴールへ駆け込む。タイムはともに9秒79(+1.0)。写真判定で1000分の1秒まで計測した結果、ライルズが9秒784で、9秒789のトンプソンに0.005秒差で先着。ライルズは自己ベストで、この種目では米国勢20年ぶりの金メダルを獲得した。
3位に入ったのは9秒81のフレッド・カーリー(米国)。7位までが9秒8台という超ハイレベルで、4位のアカニ・シンビネ(南アフリカ)が9秒82、6位のレツィレ・テボゴ(ボツワナ)が9秒86と、いずれもナショナルレコードを樹立した。
女子走高跳決勝はブダペスト世界選手権の女王で、7月に2m10と37年ぶりに世界記録を更新したヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)が登場した。1m91、1m95、1m98、2m00を1回で跳び、ライバルたちにプレッシャーをかける。ニコラ・オリスラガース(豪州)が2m00を3回目にクリアするも、2m02は失敗。無効試技差でマフチフの優勝が決まった。
3位は1m95を跳んだイリーナ・ヘラシュチェンコ(ウクライナ)とエレノール・パターソン(豪州)。マフチフは2m04にバーを上げるもクリアならず。それでもこの種目ではウクライナ初の金メダルに輝き、笑顔を見せた。
男子ハンマー投決勝はブダペスト世界選手権を制したイーサン・カツバーグ(カナダ)が1回目に自己ベスト(84m38)に迫る84m12をマークすると、3回目にも82m28を投げ込んだ。他の4投はファウルに終わったが、圧倒的な強さで金メダルを獲得。昨年7月からの連勝記録を「13」に伸ばした。2位はベンス・ハラース(ハンガリー)で79m97、3位はミハイロ・コーハン(ウクライナ)で79m39だった。
この日のイブニングセッションは男子400m予選があり、マイケル・ノーマン(米国)がシーズンベストの44秒10で全体トップ。日本勢は1組の佐藤拳太郎(富士通)が45秒60の5着、3組の中島佑気ジョセフ(富士通)は45秒37の6着、6組の佐藤風雅(ミズノ)は46秒13の6着に終わり、3人とも着順で準決勝に進めず、敗者復活ラウンドに回った。
女子800m準決勝は世界大会で3連続の銀メダルを獲得しているキーリー・ホジキンソン(英国)が快走。1分56秒86で全体トップ通過を果たした。
男子1500m準決勝は五輪連覇を狙うヤコブ・インブリグトセン(ノルウェー)とブダペスト世界選手権覇者のジョシュ・カー(英国)が1組で共演。ともに余裕の走りで、1着と2着を占めた。ヤレド・ヌグセ(米国)が全体トップの3分31秒72をマークするなど、米国勢がトリオで決勝進出を決めている。
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