富士通は7月17日、女子100mハードルでパリ五輪代表に内定した田中佑美のオンライン会見を開いた。
日本選手権で2位となった田中。参加標準記録(12秒77)には届かず、ワールドランキングではターゲットナンバー(出場枠)40のうち39位という“ギリギリ”での出場となった。
「出場できるかどうかヒヤヒヤだったので、おめでとう、と言われることが多い」と苦笑いしつつ、「スタートラインに立てた以上、どこまで記録、順位を伸ばせるかわからない。強い気持ちで臨みたい」と気を引き締める。
実際、日本選手権直後はワールドランキングを何度もチェック。最終更新予定だった7月2日は「何十回もチェックして、夜10時に(未更新で)あきらめて寝たのですが、ふと1時頃に目が覚めてチェックしたら新しくなっていた」と言い、「調べまくって39位だろうとは思っていましたが、無理かもしれない、とも思っていました。頑張るしかない、と腹をくくりました」と決定時の心境を明かす。
今でも趣味だという『宝塚』にあこがれた少女だったが、高校時代にはインターハイを連覇するなど、期待されてきたハードラー。立命大時代も強さを発揮してきたが、社会人1年目は「記録のアベレージは上がっても、周囲の記録向上に追いつけなかった」。先輩たちが次々と12秒台に突入するなか、もがいていた。
それでも、筑波大に拠点を移し、110mハードル元日本記録保持者の谷川聡コーチに師事し、ハードル技術やスプリントが向上。「跳ぶぞ、と身構えていて身体を開いてリード脚を振り上げていた」課題を克服し、「走りの動きのままハードルを跳べるようになってきた」と言う。
日本選手権では準決勝で12秒85(日本歴代2位)の自己新、決勝も12秒89をマークしたが、「決勝のほうがトップスピードが出ているレースで、スタートから1、2台目の加速が良かった。5台目のインターバルラン・タイムが縮んでいました」。一方、「ラストは体感と同じでバランスを崩してスピードが落ちていた」と言い、「そこが改善できればもっと記録が出そう」と12秒7台以上も見えてきた。
昨年、初出場を果たしたブダペスト世界選手権は予選落ち。「世界選手権という舞台に舞い上がらないように、自分のペースでしようと思うあまり、トーンを落とし過ぎた」ことを反省。オリンピックでは「現地に入ってから心が動くと思う。緊張する、楽しい、そういったこところを素直に表現できるようにしたいです」と笑顔を見せる。
ともにパリ五輪に出場する福部真子(日本建設工業)について「記録も持っていて、オレゴン(世界選手権)という舞台でベストパフォーマンスを出されている尊敬する選手。明るい方なので一緒に過ごすのが楽しみ」と話す。
目標とするのは準決勝進出。そのためには「自分のできる最大のパフォーマンスを、大事なところで発揮すること。できれば着順で入りたい」と田中。同種目では前回東京の寺田明日香(ジャパンクリエイト)に続く準決勝進出なるか。期待の大器がいよいよオリンピック・デビューを果たす。
パリ五輪の陸上競技は8月1日から11日まで行われる。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会