HOME 駅伝

2024.06.24

東洋大が見せ場を作って2位通過 1年生・松井海斗が1組1着でチームに勢い/全日本大学駅伝関東選考会
東洋大が見せ場を作って2位通過 1年生・松井海斗が1組1着でチームに勢い/全日本大学駅伝関東選考会

1組1着で東洋大を勢いづけた松井海斗

◇全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会(6月23日/神奈川・相模原ギオンスタジアム)

第56回全日本大学駅伝の関東学連推薦校選考会が行われ、東洋大が3時間55分37秒45の総合2位で17大会連続32回目の本大会出場を決めた。

第1組から東洋大が攻めのレースを見せた。先陣を切ったのは1年生の松井海斗だ。

「『予選会にいるチームにいるチームじゃないぞというところを見せられるような走りをしてこい』と言われていました。トップ通過を掲げているので、チームに勢いをつける走りをしたかった」と意気込んでレースに臨み、箱根駅伝10区区間賞の岸本遼太郎(3年)とともに序盤から積極的にレースを進めた。

しかし、5000mを前に岸本が後退。松井も「苦しかったので、一度力を溜めようと思った」と集団の後方に下がったが、そこで岸本が遅れていることに気づいた。

「自分がトップを取って、少しでも後ろに差をつけないと、チームに勢いがつかないと思った。そこからはチームのため、岸本さんのためにトップを取ることを心がけて走りました」

残り2000mで松井は集団を抜け出すと、先に仕掛けていた滝本朗史(神奈川大2)と成合洸琉(明大1)を追った。そして、残り600mで再びトップを奪い、1着でフィニッシュした。「本当にきつかったんですけど、勝ち切るレースができて良かった」。

松井はトラック、ロード、クロスカントリーとマルチに活躍し、大学入学後は関東インカレでは5000mで5位入賞を果たしているが、ここでも非凡な力を見せつけ、1組目の役割をきっちりと果たした。

松井が作った流れに乗り、2組目では網本佳悟(3年)も組1着と快走。宮崎優(1年)も4着と粘った。さらに、3組では石田洸介(4年)も組1着となり力を見せた。

しかし、3組連続で組1着を奪ったものの、3組を終えた時点では東海大に約18秒差をつけられていた。

「1組、2組、3組でリードを作って、4組で耐えるというプランだったのですが、東海大学さんに離されてしまいました。東海大学さんをしっかりマークして負けないように走ろうと思いました」

主将の梅崎蓮がこう話すように、最終組では4年生が奮起。トップ通過へ、最後まで諦めない姿勢を貫いた。小林亮太は日本人トップ争いを繰り広げて8位でフィニッシュ。梅崎も11位と踏ん張り、ともに東海大の2選手に先着した。

結局、東海大には9秒届かず、目標のトップ通過はならなかった。それでも、多くの見せ場を作ったのは間違いない。

「本選を見据えて攻めた走りをしていこうと話していて、1~3組とトップを取ることができました。4組目は日本人トップを取れなかったですが、小林も梅崎も最後までしっかり粘って走ってくれた」と、酒井俊幸監督は選手たちを称えていた。

「ただ、良いところもブレーキもあったので……」と言葉は続く。本来戦うべきは、シード校。伊勢路での躍進を誓う。

文/和田悟志

◇全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会(6月23日/神奈川・相模原ギオンスタジアム) 第56回全日本大学駅伝の関東学連推薦校選考会が行われ、東洋大が3時間55分37秒45の総合2位で17大会連続32回目の本大会出場を決めた。 第1組から東洋大が攻めのレースを見せた。先陣を切ったのは1年生の松井海斗だ。 「『予選会にいるチームにいるチームじゃないぞというところを見せられるような走りをしてこい』と言われていました。トップ通過を掲げているので、チームに勢いをつける走りをしたかった」と意気込んでレースに臨み、箱根駅伝10区区間賞の岸本遼太郎(3年)とともに序盤から積極的にレースを進めた。 しかし、5000mを前に岸本が後退。松井も「苦しかったので、一度力を溜めようと思った」と集団の後方に下がったが、そこで岸本が遅れていることに気づいた。 「自分がトップを取って、少しでも後ろに差をつけないと、チームに勢いがつかないと思った。そこからはチームのため、岸本さんのためにトップを取ることを心がけて走りました」 残り2000mで松井は集団を抜け出すと、先に仕掛けていた滝本朗史(神奈川大2)と成合洸琉(明大1)を追った。そして、残り600mで再びトップを奪い、1着でフィニッシュした。「本当にきつかったんですけど、勝ち切るレースができて良かった」。 松井はトラック、ロード、クロスカントリーとマルチに活躍し、大学入学後は関東インカレでは5000mで5位入賞を果たしているが、ここでも非凡な力を見せつけ、1組目の役割をきっちりと果たした。 松井が作った流れに乗り、2組目では網本佳悟(3年)も組1着と快走。宮崎優(1年)も4着と粘った。さらに、3組では石田洸介(4年)も組1着となり力を見せた。 しかし、3組連続で組1着を奪ったものの、3組を終えた時点では東海大に約18秒差をつけられていた。 「1組、2組、3組でリードを作って、4組で耐えるというプランだったのですが、東海大学さんに離されてしまいました。東海大学さんをしっかりマークして負けないように走ろうと思いました」 主将の梅崎蓮がこう話すように、最終組では4年生が奮起。トップ通過へ、最後まで諦めない姿勢を貫いた。小林亮太は日本人トップ争いを繰り広げて8位でフィニッシュ。梅崎も11位と踏ん張り、ともに東海大の2選手に先着した。 結局、東海大には9秒届かず、目標のトップ通過はならなかった。それでも、多くの見せ場を作ったのは間違いない。 「本選を見据えて攻めた走りをしていこうと話していて、1~3組とトップを取ることができました。4組目は日本人トップを取れなかったですが、小林も梅崎も最後までしっかり粘って走ってくれた」と、酒井俊幸監督は選手たちを称えていた。 「ただ、良いところもブレーキもあったので……」と言葉は続く。本来戦うべきは、シード校。伊勢路での躍進を誓う。 文/和田悟志

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.21

早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]

NEWS 立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

2024.11.21

立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]

NEWS M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

2024.11.20

M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]

NEWS 第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

2024.11.20

第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]

NEWS 八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

2024.11.20

八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

東日本実業団連盟は11月20日、2024八王子ロングディスタンス(11月23日)のスタートリストを発表した。 来年の世界選手権男子10000mの参加標準記録(27分00秒00)の突破を狙う『S組』では、日本の実業団に所属 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top