2024.05.20
◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場)
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、男子5000mはイマニエル・マル(トヨタ紡織)が13分18秒94で優勝した。
オレゴン、ブダペスト世界選手権代表の遠藤日向(住友電工)が今季初レースに臨んだ。意外にも、遠藤が国立競技場を走るのは初めてだったが、きっちりと日本人トップの4位に入り、パリ五輪出場へ望みをつないだ。
「順位とタイムというよりも、パリ五輪に向けて狙っているポイントを獲得することが一番大事だったので、そのポイントはギリギリ取れたので、最低限良かったのかなとは思います」と、ひとまず胸をなでおろした。
パリ五輪の出場資格は、参加標準記録(13分05秒00)を切るか、ワールドランキング(Road to Paris)で出場圏内(ターゲットナンバー42)に入らなければいけない。
ワールドランキングは有効期間(23年7月1日から24年6月30日)で3レース以上走らなければならないが、この大会前まで遠藤は2レースしか走っておらず、ランキング外だった。
遠藤は昨年7月のアジア選手権で金メダルを獲得し、8月のブダペスト世界選手権に出場しているが、その世界選手権の後に左足の舟状骨を骨折。10月には手術をし、長期間にわたって戦線を離脱していた。
「一度はパリをあきらめて、(25年の)東京世界選手権に向けて(やっていこう)っていう思いでした」と当時の胸の内を明かす。
ようやくポイント練習を再開できたのは今年1月中旬頃からで、ここまで十分にトレーニングを積むことができたわけではなかった。それでも、状態が上向いているのは実感していた。
「周りの方々の支えや一緒にトレーニングしてくれるパートナーのお陰で、トレーニングを積むごとに、もしかしたら(パリ五輪を)狙えるかもしれないっていうところまで戻ってきました」
この大会の直前まで標高約1750mの湯の丸高原(長野県)でトレーニングを積み、復帰戦に備えてきた。
レースでは終始先頭をうかがえる位置につけた遠藤。入りの1000mは2分38秒と自己記録(13分10秒69)を狙えるペースだったが、その後、先頭集団は2分43秒~44秒とペースダウンする。
「最初からきついなという感覚があって、“ちょっときついな”っていう状態がずっと続いた」と言うように、決して余裕があったわけではなかった。だが、ラスト1000mを2分30秒でカバーし、13分20秒28でフィニッシュした。
「表彰台を目指していたが、ラストのキック力が足りなくて、最後の最後であと一歩及ばなかった。そこは次への課題」
持ち味のラストスパートで勝ち切れず、こう反省を口にする。とはいえ、立ち上がりの段階としては、自他共に及第点を与えられる走りだっただろう。
昨年も遠藤はケガ明けながら、この大会(3000m)で好走し、ブダペスト世界選手権に向けて弾みをつけた。今年も、まさに昨年と同じような流れと言っていい。
「6月の日本選手権で優勝を目指して、またここからトレーニングをしていければと思います」
昨年の日本選手権は塩尻和也(富士通)に敗れ2位に終わり、連覇が途切れた。今年は頂点を奪還し、パリ五輪への道を切り開くつもりだ。
遠藤は東京五輪出場を目指して、学法石川高を卒業後に大学には進学せずに、実業団の住友電工へ。しかし、東京五輪には出場できず、悔しさを味わった。それだけに、五輪への思いはひとしおだ。
「チャンスがあるならしっかり目指し、選ばれたら、パリに向けてしっかり戦える準備をしていきたいです」
文/和田悟志
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.16
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会