HOME 国内

2024.05.20

女王・北口榛花が渡欧前に弾みの逆転V!「余力が残っている状態で勝てた」パリに向かって“チーム一丸”/セイコーGGP
女王・北口榛花が渡欧前に弾みの逆転V!「余力が残っている状態で勝てた」パリに向かって“チーム一丸”/セイコーGGP

24年セイコーGGPを制した北口榛花(JAL)

◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場)

世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が63m45のシーズンベストを投げて優勝した。

昨年のブダペスト世界選手権金メダリストの北口。今季は初戦だった4月27日のダイヤモンドリーグ(DL)蘇州を62m97、続く水戸招待(5月5日)は61m83を投げて優勝していた。

この日は1回目に「安全に投げて、やりの飛び方も良くない」なかで60m20。ここ2試合に比べれば身体の動きもまずまずで、「もうちょっと行けると思った」と言う。

60m19だった2回目も「比較的きれいに飛んだ」。硬さを感じていた上半身も「ひねりや腕を振っている感じが柔らかくなった」と北口。トレーニングよりコンディショングに時間を割いてきた効果が表れた。ただ、その後は「もっと前に行きたかった」と、前への推進力がなかなか出ない。

3位に落ちて迎えた5回目に62m02を投げて2位に浮上すると、「6回目はいつも通り、最後だからと思って一生懸命投げました」と苦笑い。何度も見せてきた“逆転”で、この日最高となる63m45を放って優勝。試合の中でさすがの修正力と精神力を見せた。

「余力を残した状態でしっかり勝てたのは良かったですが、この記録ではパリ五輪の金メダルには届かない」と北口。「63mでは足りないので、65mに乗せられるように。徐々に記録は上がってきていると思うので、もう一段階上げられると思います」と手応えと課題が見つかった試合となった。

2日後には再び欧州へ。チェコなどで試合を数試合経て、6月末の日本選手権(新潟)に合わせて帰国の予定。すでにパリ五輪代表に内定しているが、しっかり“日本一”を手にしてパリ五輪へ向かっていく。

この日はJALの大応援団が背中を押してくれた。スタンドには家族も、トレーナーたちも、身体作りや姿勢をサポートしてくれる足立和隆先生(元・筑波大准教授)たち、そしてデイヴィッド・セケラック・コーチもいた。『チーム北口』全員が試合でそろったのは初めてのこと。

パリで目指すはメダル。それも「みんなが知っている一番良い色」だ。「焦らずゆっくり、根詰めすぎず8月までやっていけたら」。“チーム北口”で一丸となって夏に向かっていく。

◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場) 世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が63m45のシーズンベストを投げて優勝した。 昨年のブダペスト世界選手権金メダリストの北口。今季は初戦だった4月27日のダイヤモンドリーグ(DL)蘇州を62m97、続く水戸招待(5月5日)は61m83を投げて優勝していた。 この日は1回目に「安全に投げて、やりの飛び方も良くない」なかで60m20。ここ2試合に比べれば身体の動きもまずまずで、「もうちょっと行けると思った」と言う。 60m19だった2回目も「比較的きれいに飛んだ」。硬さを感じていた上半身も「ひねりや腕を振っている感じが柔らかくなった」と北口。トレーニングよりコンディショングに時間を割いてきた効果が表れた。ただ、その後は「もっと前に行きたかった」と、前への推進力がなかなか出ない。 3位に落ちて迎えた5回目に62m02を投げて2位に浮上すると、「6回目はいつも通り、最後だからと思って一生懸命投げました」と苦笑い。何度も見せてきた“逆転”で、この日最高となる63m45を放って優勝。試合の中でさすがの修正力と精神力を見せた。 「余力を残した状態でしっかり勝てたのは良かったですが、この記録ではパリ五輪の金メダルには届かない」と北口。「63mでは足りないので、65mに乗せられるように。徐々に記録は上がってきていると思うので、もう一段階上げられると思います」と手応えと課題が見つかった試合となった。 2日後には再び欧州へ。チェコなどで試合を数試合経て、6月末の日本選手権(新潟)に合わせて帰国の予定。すでにパリ五輪代表に内定しているが、しっかり“日本一”を手にしてパリ五輪へ向かっていく。 この日はJALの大応援団が背中を押してくれた。スタンドには家族も、トレーナーたちも、身体作りや姿勢をサポートしてくれる足立和隆先生(元・筑波大准教授)たち、そしてデイヴィッド・セケラック・コーチもいた。『チーム北口』全員が試合でそろったのは初めてのこと。 パリで目指すはメダル。それも「みんなが知っている一番良い色」だ。「焦らずゆっくり、根詰めすぎず8月までやっていけたら」。“チーム北口”で一丸となって夏に向かっていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.06.29

110mH五輪出場圏内の高山峻野 体調不良も準決勝2着で決勝へ/日本選手権

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目 第108回日本選手権の3日目が行われ、男子110mハードルでパリ五輪のターゲットナンバーに入っている高山峻野(ゼンリン)は予選を13 […]

NEWS 110mH村竹ラシッドが準決勝13秒14!決勝は「やるべきことやるだけ」優勝すればパリ内定/日本選手権

2024.06.29

110mH村竹ラシッドが準決勝13秒14!決勝は「やるべきことやるだけ」優勝すればパリ内定/日本選手権

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目 パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目に男子110mハードルの準決勝が行われ、村竹ラシッド(JAL)が向かい風1.0mで13秒 […]

NEWS 100m栁田大輝は2着で通過 決勝で「盛り上がりを見せたい」/日本選手権

2024.06.29

100m栁田大輝は2着で通過 決勝で「盛り上がりを見せたい」/日本選手権

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目 パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目に男子100m準決勝が行われ、ブダペスト世界選手権代表の栁田大輝(東洋大)は10秒20( […]

NEWS 高校女子は仙台育英ワン・ツー 区間賞3つのAチームが制しBチームが2位 前回Vの立命館宇治が3位/全国男鹿駅伝

2024.06.29

高校女子は仙台育英ワン・ツー 区間賞3つのAチームが制しBチームが2位 前回Vの立命館宇治が3位/全国男鹿駅伝

全国男鹿駅伝は6月28日、秋田県男鹿市の男鹿総合運動公園を発着点に行われ、5区間21.3kmで争った高校女子は仙台育英A(宮城)が1時間8分56秒で制した。 仙台育英Aは1区こそ3位スタートだったが、2区(2.6km)の […]

NEWS 男子100m小池祐貴は準決勝1組5着で決勝逃す 「やりたいことがうまくできていない」/日本選手権

2024.06.29

男子100m小池祐貴は準決勝1組5着で決勝逃す 「やりたいことがうまくできていない」/日本選手権

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目 第108回日本選手権の3日目が行われ、男子100m準決勝1組で東京五輪代表の小池祐貴(住友電工)が10秒34(-0.2)で5着にとど […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年7月号 (6月14日発売)

2024年7月号 (6月14日発売)

パリ五輪への道、最終局面
インターハイ都府県大会ハイライト

page top