2024.02.28
みなさんこんにちは! 西村菜那子です。月陸Onlineさんでは以前連載コラムを担当させていただいました。コラムを書かせていただくのは、なんと2021年の9月ぶり。約2年半ぶりに担当させていただきます!
2月11日に、宮古島ワイドー・ズミ大学駅伝大会2024(通称、宮古島大学駅伝)が開催されました。ありがたいことに、私も月刊陸上競技さんの取材チームとして現地へお邪魔させていただきました。今日は、私が現地で見た宮古島大学駅伝レポートをお届けします。
この大会は大学駅伝への出場に向けて、日々強化に取り組んでいるチームのサポートなどを目的に2020年より開催された大会で、今年はオープン参加を含めた9チームが全5区間100.5㎞を駆け抜けました。
結果は以下の通りです。
1位 國學院大學
2位 順天堂大学
3位 専修大学
4位 東海大学
5位 芝浦工業大学
6位 法政大学
途中棄権 東京国際大学
OP 大学連合チーム
OP 沖縄選抜チーム

選手のみなさん、お疲れさまでした!
國學院大學が1区から独走、また5区までの全区間で区間賞を獲得する完全優勝で幕を下ろしました。なかでも今回注目を浴びていたのは、佐藤快成選手(3年/埼玉栄高)。高校時代からロードに強く、2年時には箱根駅伝でアンカーを走り、3人抜きの好走を見せ、見事区間4位に輝くなど、駅伝では常に安定した結果を残すことから、“ロードの鬼”と駅伝ファンから評されることも。
そんな駅伝力が高い佐藤選手ですが、今年の箱根駅伝では直前のエントリー変更で出走ならず、悔しい思いを残しました。そのため、今大会での佐藤選手の出場を喜ぶ陸上ファンの方も多かったようです。宮古島大学駅伝では、箱根駅伝の悔しさを晴らすかのようなパワフルな走りを披露しました。
5区を走る本山凛太朗選手(3年/鎮西学院高)とのタスキリレーでは満面の笑顔が印象的でした。レース後のインタビューでは笑顔の理由について、「同級生とのタスキ(リレー)が初めてで自然と笑顔になっちゃいました」。本山選手との仲睦まじさも垣間見られました。
惜しくも2位となったのは順天堂大学。優勝は逃したものの、5区間全て区間3位以内に収める好走を見せました。レース以外で光っていたのは、こちらも選手同士の仲の良さ。
今回、順天堂大学は本大会で走らない選手も合宿のため宮古島に訪れていたため、出場しなかった選手たちはコース沿道で各中継所を周り、チームの応援をしていました。沿道で楽しそうに声援を送っている大学生の集団がいるなぁと思い、よく見たら順天堂大学の選手のみなさんで、そこには三浦龍司選手(4年/洛南)や、春から進学する佐久長聖高の永原颯磨選手(3年)の姿も。永原選手はすっかりチームに馴染んでいるようでした。
日本を代表するランナーたちも、シューズを脱げば普通の大学生。箱根駅伝とはまた一味違う宮古島の気候も影響するのでしょうか、リラックスムードの応援とそれに応える選手たちの関係性にこちらもほっこりする場面がいくつもありました。
また、順天堂大学指揮官の長門俊介監督は、ほとんどの区間で選手の給水も担当。近年は箱根駅伝でも監督による給水が禁止されているため、監督が選手とともに走る光景はすごくレアなもので、わき上がってくる高揚感に包まれました。
しかし長門監督、給水の走りを頑張りすぎて足を少し痛めてしまったみたいです(笑)
「今年ついに40歳なるからな~」と嘆いていた監督。選手との年齢も比較的近く、フランクにコミュニケーションを取る姿がとても印象的でした。
また、國學院大学、順天堂大学と共に優勝候補として挙げられていた東海大学はトップ3を惜しくも逃し、4位という結果に。1区を任されたのは、今年の箱根駅伝1区で区間5位と好成績を残した兵藤ジュダ選手(2年/東海大静岡翔洋高)。しかしレース途中、脱水症状に陥るアクシデントがあり、区間6位と前半に出遅れがありました。
しかしその後、タスキをつないだ花岡寿哉選手(2年/上田西)が区間2位の激走を見せ、順位を上げていきました。個人的には、同じ長野県出身で、いつかお話ししてみたいなと思っていた花岡選手とレース後に初めてお会いし、楽しいお話しができたのはとてもうれしかったです。
花岡選手は現在大学2年生。信州で活躍を遂げる花岡選手のことは、高校時代から注目していましたが、2020年からのコロナ禍で、当時高校2年生だった花岡選手は大会が中止になったり、出場できないことがあり、やるせない思いをしたことが多々あったようです。
これは花岡選手だけでなく全選手に言えることですが、高校時代にコロナ禍で思うように走れなかった選手だからこそ、今まで貯めていた力を思う存分発散してほしいなと思っています。
箱根駅伝でも花の2区に抜擢されたり、今回の宮古島大学駅伝でも2区で区間2位の快走を果たし、大学で着実に活躍を見せている花岡選手の姿はとてもうれしく頼もしいものでありました。

私が撮った中継所での写真!結構、うまく撮れたかも…?
今回宮古島大学駅伝を現地で見させていただいて感じたのは、宮古島市陸上競技協会のみなさんを始めたとした、大会関係者、運営のみなさんの大学駅伝への愛情深さ。
大会後はホテルで選手、関係者などを招いたアフターパーティーを開催されるなど、最後まで気遣い溢れる現場となっていました。あらためて大学陸上界がこんなにも多くの方に愛されて、応援されていると思うと、私までうれしく思います。
そしてその期待に応え、宮古島でのレース後、練習に励む選手の姿を見てパワーを頂きました。また来年も現地へ応援に行けるように私も頑張って参ります!
久しぶりのコラム、最後までご覧いただきありがとうございました。

大会翌日には神野大地さん、たむじょーさんとイベントに参加しました!
●西村菜那子(にしむら・ななこ)
1997年8月11日生/O型/長野県出身
特技:クラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を暗記
趣味:陸上観戦、サッカー観戦
2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。アイドルとしての活動を続ける中で、自身のSNSを通して陸上競技に関する情報を発信。駅伝関連のメディア出演も多数。22年9月の卒業公演をもってグループを卒業。現在は舞台やテレビ出演で活躍しながら、イベントから発展したWEBマガジン「#西村駅伝」を立ち上げ、駅伝の情報を発信している。24年に1st写真集『ひと息ついて』が発売。
X(Twitter)/Instagram/公式サイト/#西村駅伝



|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.17
【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日)
2025.04.17
末續慎吾ら参加の「アースグランプリ」が5月に香川で初開催 本気のレースとイベントが共存
-
2025.04.17
-
2025.04.17
-
2025.04.16
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.13
-
2025.04.12
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.03.23
-
2025.04.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.17
【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日)
【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日/サウジアラビア・ダンマーム) 男子 100m(+2.3) 金 清水空跳(星稜高2石川) 10秒38 銀 代泓宇(中国) 10秒39 銅 古綽峰( […]
2025.04.17
末續慎吾ら参加の「アースグランプリ」が5月に香川で初開催 本気のレースとイベントが共存
アースグランプリ実行委員会は5月17、18日に「アースグランプリ2025Kagawa」を観音寺総合運動公園陸上競技場で開催すると発表した。 同委員会は男子棒高跳の2016年リオデジャネイロ五輪代表の荻田大樹さんが委員長を […]
2025.04.17
日本体育施設が「作業者の健康を守るため」新たな環境対応型ウレタン材開発 陸上トラックなどに活用
スポーツ施設の施工・管理・運営を専門とする日本体育施設株式会社が今年1月28日に、同社が開発した環境対応型ポリウレタン系表層材料「レオタンS」が国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録されたことを発表した。 […]
2025.04.17
プーマ史上最速・最軽量の新作ランニングシューズ「FAST-R NITRO™ ELITE 3」が4月25日より数量限定発売!
プーマ ジャパンは4月17日、ブランド史上最速のランニングシューズ「FAST-R NITRO™ ELITE 3(ファスト アール ニトロ エリート 3)」を4月25日より数量限定で発売することを発表した。 FAST-R […]
2025.04.17
【世界陸上プレイバック】―93年シュツットガルト―男子マイルリレーで米国が驚異的な世界新!マラソン浅利純子が日本女子初の金
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)