HOME 大学

2024.02.24

「関大陸上部100周年記念式典」盛大に開催、関西インカレ54年ぶり総合Ⅴで活気づく
「関大陸上部100周年記念式典」盛大に開催、関西インカレ54年ぶり総合Ⅴで活気づく

創部100周年記念式典を盛大に開催した関大陸上競技部。OB・OG、現役部員、応援団も含めて記念撮影

関西大学陸上競技部の創部100周年記念式典は2月23日、大阪市内のホテルに前田裕学長、関西学生陸上競技連盟の津野洋会長ら来賓をはじめ、OB・OG、現役部員など約400名が集って盛大に開催された。

令和3年(2021年)が本来の100周年だったが、コロナ禍で式典は延期。そんな中、昨年5月の第100回関西インカレで54年ぶりの男子1部総合優勝を飾ったことで数年遅れの記念式典は最高のタイミングになり、主催者代表で開会のあいさつをした関西大学陸友会(OB・OG会)の小野吉永会長は「今の4年生はコロナで一番苦労した世代だったが、彼らが中心となってチームをまとめ、すばらしい節目になった」と喜んでいた。

1921年(大正10年)に創部し、2年後の極東大会(アジア大会の前身)を皮切りに日本代表選手を続々と輩出してきた関大。なかでも光り輝くのはすべての運動部を通して関大初のオリンピアンとなった三段跳の大島鎌吉で、やり投の長尾三郎とともに出場した1932年(昭和7年)のロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得、日本選手団の主将も務めた1936年(昭和11年)のベルリン五輪で6位に入賞。その間の1934年には世界記録を上回る15m82をマークしている。

また、ベルリン五輪には卒業生を含めて6名もの関大勢が代表に選ばれ、その翌年には、大島と同じ三段跳で戸上研之も15m86の大記録を打ち立てるなど、日本陸上史に大きな足跡を刻んだ。

陸上オリンピアンは戦後の1956年(昭和31年)メルボルン五輪に走幅跳で出場した園田裕四郎、2012年(平成24年)ロンドン五輪のマイルリレー代表となった東佳弘(現・短距離コーチ)を含めて8人(延べ10人)を数え、関西の大学で最多。2022年の日本選手権100mで優勝し、同年のオレゴン世界選手権、2023年のブダペスト世界選手権に連続出場している卒業生の坂井隆一郎(大阪ガス)が次なるオリンピアン候補として期待されている。

チームとしても関西インカレにおいて戦前に8連覇(1931~1938年)、戦後は10連覇(1953~1962年)と黄金時代を謳歌。しかし、1969年を最後に王座から遠ざかり、1974年から1991年までの間に2部での出場に甘んじたことが7度ある。2010年代中盤にも2部降格の危機が数年続いたが、以降は徐々に上昇。2021年、2022年の総合3位を経て、2023年に念願の王者復権を遂げた。

広告の下にコンテンツが続きます

通算27回目となった関西インカレ総合優勝は内容も見事で、亀田仁一路が5000m、10000mの2冠(いずれも大会新)、松井健斗が関西学生新の20秒65で制した200mは表彰台を独占し、主将の宮内和哉が連覇を果たした100m、磯本楓太が1年生Vを飾った三段跳、両リレーを合わせて7種目に優勝。4×100mリレーは2023年の単独チーム日本最高記録となる大会新の38秒91で他を圧倒した。

その関西インカレでは女子総合でも5位という好成績を挙げ、7年ぶり復活となった全日本大学駅伝を含めて2023年は男女の学生駅伝全国4大会にフル出場。2016年の指揮官就任以来、170名を超える部員に対して「個々の役割を認識し、組織として強くなろう」と言い続けてきた伊藤邦典監督は、苦しい時期を乗り越えて力をつけたチームの結束を称え、サポートしてくれた多くの関係者に感謝した。

古豪完全復活への大きな一歩を踏み出した関大。記念式典の閉会あいさつで柴田一顧問が「これが頂点ではなく、さらなる高みを目指していく」と誓うと場内から盛大な拍手が起こった。

関西大学陸上競技部の創部100周年記念式典は2月23日、大阪市内のホテルに前田裕学長、関西学生陸上競技連盟の津野洋会長ら来賓をはじめ、OB・OG、現役部員など約400名が集って盛大に開催された。 令和3年(2021年)が本来の100周年だったが、コロナ禍で式典は延期。そんな中、昨年5月の第100回関西インカレで54年ぶりの男子1部総合優勝を飾ったことで数年遅れの記念式典は最高のタイミングになり、主催者代表で開会のあいさつをした関西大学陸友会(OB・OG会)の小野吉永会長は「今の4年生はコロナで一番苦労した世代だったが、彼らが中心となってチームをまとめ、すばらしい節目になった」と喜んでいた。 1921年(大正10年)に創部し、2年後の極東大会(アジア大会の前身)を皮切りに日本代表選手を続々と輩出してきた関大。なかでも光り輝くのはすべての運動部を通して関大初のオリンピアンとなった三段跳の大島鎌吉で、やり投の長尾三郎とともに出場した1932年(昭和7年)のロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得、日本選手団の主将も務めた1936年(昭和11年)のベルリン五輪で6位に入賞。その間の1934年には世界記録を上回る15m82をマークしている。 また、ベルリン五輪には卒業生を含めて6名もの関大勢が代表に選ばれ、その翌年には、大島と同じ三段跳で戸上研之も15m86の大記録を打ち立てるなど、日本陸上史に大きな足跡を刻んだ。 陸上オリンピアンは戦後の1956年(昭和31年)メルボルン五輪に走幅跳で出場した園田裕四郎、2012年(平成24年)ロンドン五輪のマイルリレー代表となった東佳弘(現・短距離コーチ)を含めて8人(延べ10人)を数え、関西の大学で最多。2022年の日本選手権100mで優勝し、同年のオレゴン世界選手権、2023年のブダペスト世界選手権に連続出場している卒業生の坂井隆一郎(大阪ガス)が次なるオリンピアン候補として期待されている。 チームとしても関西インカレにおいて戦前に8連覇(1931~1938年)、戦後は10連覇(1953~1962年)と黄金時代を謳歌。しかし、1969年を最後に王座から遠ざかり、1974年から1991年までの間に2部での出場に甘んじたことが7度ある。2010年代中盤にも2部降格の危機が数年続いたが、以降は徐々に上昇。2021年、2022年の総合3位を経て、2023年に念願の王者復権を遂げた。 通算27回目となった関西インカレ総合優勝は内容も見事で、亀田仁一路が5000m、10000mの2冠(いずれも大会新)、松井健斗が関西学生新の20秒65で制した200mは表彰台を独占し、主将の宮内和哉が連覇を果たした100m、磯本楓太が1年生Vを飾った三段跳、両リレーを合わせて7種目に優勝。4×100mリレーは2023年の単独チーム日本最高記録となる大会新の38秒91で他を圧倒した。 その関西インカレでは女子総合でも5位という好成績を挙げ、7年ぶり復活となった全日本大学駅伝を含めて2023年は男女の学生駅伝全国4大会にフル出場。2016年の指揮官就任以来、170名を超える部員に対して「個々の役割を認識し、組織として強くなろう」と言い続けてきた伊藤邦典監督は、苦しい時期を乗り越えて力をつけたチームの結束を称え、サポートしてくれた多くの関係者に感謝した。 古豪完全復活への大きな一歩を踏み出した関大。記念式典の閉会あいさつで柴田一顧問が「これが頂点ではなく、さらなる高みを目指していく」と誓うと場内から盛大な拍手が起こった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.29

編集部コラム「いつのまにか700号超え」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

NEWS 齋藤みう3000m障害で9分41秒57 自己ベスト4秒以上更新して日本歴代6位、学生歴代2位

2025.03.29

齋藤みう3000m障害で9分41秒57 自己ベスト4秒以上更新して日本歴代6位、学生歴代2位

第319回日体大長距離競技会初日が3月29日、神奈川・横浜市の同大学健志台キャンパス競技場で行われ、女子3000m障害で齋藤みう(日体大4)が日本歴代6位、学生歴代2位の9分41秒57をマークした。 齋藤のこれまでのベス […]

NEWS 久保凛1000mで2分40秒23 U20&U18日本新記録!従来の記録を大幅更新、日本歴代でも4位

2025.03.29

久保凛1000mで2分40秒23 U20&U18日本新記録!従来の記録を大幅更新、日本歴代でも4位

奈良市サーキットが3月29日、奈良市の鴻ノ池陸上競技場で行われ、女子1000mで800m日本記録(1分59秒93)保持者の久保凛(東大阪大敬愛高2)が2分40秒23をマークした。 この記録は日本歴代4位で、U20とU18 […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

2025.03.28

【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]

NEWS 【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

2025.03.28

【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top