2024.02.19
◇第4回全国招待大学対校男女混合駅伝(2月18日/大阪・長居公園内特設コース/6区間20km)
まるで2年前の再現のようなフィニッシュシーンだった。
第1回、2回大会と連覇している順大が最終区で逆転。これまでの大会記録を44秒更新する1時間00分06秒で2年ぶり3度目の頂点に立った。
前回は雨に悩まされたが、今回は打って変わって気温16度と季節外れの暖かさに加え風もほとんどない好コンディション。序盤は、1区でリズムをつかんだ前回覇者の日体大と、初Vを目指す城西大の関東勢がレースを引っ張る展開となる。
3区に入ると、それまで8番手につけていた京産大の小嶋郁依斗(3年)が得意のロードで快走する。この区間(5㎞)で初の14分切りとなる13分59秒の区間新をマークし、7人をごぼう抜きしトップへ。その後も日体大と京産大のマッチレースが続き、1秒差で日体大がリードを奪い最終6位とタスキが渡った。
しかし、それまで先頭争いに一度も加わっていなかった順大が後半にかけてじわじわと追い上げていた。5区で塩原匠(2年)が区間タイ(5分21秒)の好タイムで区間賞に輝き、トップから18秒差の3位へ。その魂のタスキを受けた順大のアンカー・小暮真緒(3年)が「あの距離なら追い付けると思っていました」との激走で、3km手前で京産大をかわすと、その後もペースを緩めることなく先頭の日体大を追いかける。残り1km手前から一気にギアを上げ、スタジアムの手前でついに逆転。最後は15秒差をつける圧巻のスパートで自身2年ぶり2度目となる歓喜のVテープを切った。
トラックのベスト(15分55秒26)に迫る16分00秒で区間賞も獲得した小暮。同じくアンカーを担った2年前も同じような展開で逆転優勝のフィニッシュテープを切っている。「区間記録(16分17秒)の更新も狙っていたので、優勝と合わせて目標が達成できてうれしい。優勝テープを切るのは何度味わっても格別ですね」と満面の笑みを浮かべた。
年末の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)は16位、年明けの箱根駅伝が17位と男女ともに思ったような結果が残せていなかっただけに、「良いスタートが切れました。この勢いを2024年シーズンにつなげたい」と選手たちは笑顔で口をそろえた。
1区から流れを作った日体大は、前回作った大会記録を29秒上回る力走を見せるも、最後に力尽き2位。アンカーの兼子心晴(2年)が区間3位ながらこれまでの区間記録を4秒上回る16分13秒をマークし、追い上げた城西大が初のメダル獲得となる3位(1時間00分27秒)と健闘した。
4位(1時間00分47秒)には京産大が入り、ここまで従来の大会記録を上回るなど、最後まで手に汗握る白熱したレースだった。
文/花木 雫
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.30
関口絢太が10000m28分07秒46の自己新 石原とともに米国遠征The TEN出場
2025.03.30
優勝は自己新の小林航央 青学大・田中悠登はラストラン5位/ふくい桜マラソン
-
2025.03.30
-
2025.03.29
-
2025.03.29
-
2025.03.25
-
2025.03.23
-
2025.03.26
-
2025.03.23
-
2025.03.19
-
2025.03.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.30
【世界陸上プレイバック】―87年ローマ―走高跳頂上決戦はコスタディノワが制す!やり投・溝口が日本初入賞
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.03.30
関口絢太が10000m28分07秒46の自己新 石原とともに米国遠征The TEN出場
The TENが3月29日に米国・カリフォルニア州で行われ、男子10000mに出場した関口絢太(SGホールディングス)が28分07秒46の組5着だった。 関口は立教大出身で、昨年の箱根駅伝は10区区間3位。卒業後にSGホ […]
2025.03.30
丸山竜也が銅メダル 女子は川村楓の5位が最上位/アジアマラソン選手権
アジアマラソン選手権が3月30日、中国・浙江省嘉興で行われ、男子は丸山竜也(トヨタ自動車)が2時間11分51秒の3位に入った。 丸山は10km付近でやや先頭集団から離されそうになるものの、すぐに追いつき、横田俊吾(JR東 […]
2025.03.29
青学大・若林宏樹の学生ラストランは2位!TBS感謝祭マラソン激走「箱根よりきつかった」
青学大の若林宏樹がTBSの「オールスター感謝祭2025春」に出演した。若林は番組恒例の赤坂ミニマラソンに出場して2位だった。 約5km、心臓破りの坂がランナーたちを苦しめる番組の人気企画。今年の箱根駅伝で5区区間新を出し […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報