HOME 学生長距離

2024.01.01

【Playback箱根駅伝】第99回/駒大 完全Vで王座奪還!史上5校目の学生駅伝3冠達成
【Playback箱根駅伝】第99回/駒大 完全Vで王座奪還!史上5校目の学生駅伝3冠達成

第99回箱根駅伝/大手町のフィニッシュ後に選手たちに胴上げされる駒大の大八木弘明監督(現・総監督)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第99回(2023年/令和5年)
駒大・大八木弘明監督が有終の美
中大が22年ぶりトップ3の準優勝

10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝を制し、史上5校目の大学駅伝3冠に王手をかけた駒大と、前回大会を総合・復路新記録で制した青学大による優勝争いが予想された。

また、出雲・全日本ともに2位の國學院大、前回2位の順大、出雲3位の中大も上位候補に挙げられた。

1区ではスタートしてすぐオープン参加の関東学生連合・新田颯(育英大)が抜け出し、独走を続ける。後続の集団はスロースタートとなったものの、8km過ぎにペースが上がり、徐々に先頭の新田との差を詰めていく。終盤に抜け出した明大の富田峻平(4年)が残り1kmで新田をかわし、そのまま区間賞を獲得。9秒差の2位に駒大が続き、新田が15秒差の区間3位相当で走り切った。

2区では先頭から18秒差の4位でスタートした中大・吉居大和(3年)が、2.1kmで前回区間賞の駒大・田澤廉(4年)を抜き去り2位に浮上すると、7km付近で明大をとらえて先頭へ。しばらく吉居の独走が続いたものの、一度は抜かれた田澤が12.2kmで逆転し、吉居は後方から追いついてきた青学大・近藤幸太郎(4年)とともに田澤を追っていく。

吉居は21km過ぎにスパートをかけると、中継所手前で田澤を再逆転し、トップで戸塚中継所へ。3秒差で田澤、4秒差で近藤が続き、吉居が区間歴代8位の1時間6分22秒で区間賞を手にした。

3区では先頭を走る中大の中野翔太(3年)がすぐ後ろで追いかける駒大の篠原倖太朗(2年)と青学大・横田俊吾(4年)を引き離して2区間続けてトップ中継。中野は区間賞も獲得した。

4区ではハイレベルな争いが繰り広げられた。2位でスタートした駒大・鈴木芽吹(3年)が7km手前で中大・吉居駿恭(1年)に追いつくと、しばらく並走。牽制してペースが落ち着いたところで3位の青学大・太田蒼生(2年)が猛烈な勢いで追いつき、14.3kmから3人の争いになる。15km過ぎで吉居が遅れると、鈴木と太田の一騎打ちへ。中継所500m手前で追いついた鈴木が逆転し、わずか1秒差でトップ中継。太田が区間記録にあと5秒と迫る快走を見せた。

しかし、太田と鈴木の快走を上回る走りを見せたのが東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(4年)だった。12位でタスキを受け取りと、8人を抜き去り4位に浮上。従来の区間記録を30秒も上回る1時間0分00秒で走り切り、1年時の3区、2年時の2区に続いて3区間目の区間記録樹立となった。

5区では駒大ルーキーの山川拓馬が後続を突き放し、19年ぶり4回目の往路優勝を飾った。青学大はこの区間で順位を落とし、中大が2位、青学大が3位でフィニッシュ。國學院大が4位、早大が5位で続き、四釜峻佑(4年)が11位から5つ順位を上げた順大が6位、9位でフィニッシュした城西大の山本唯翔(3年)は1時間10分04秒の区間新記録を樹立した。

駒大は復路でも盤石なタスキリレーを披露。6区の伊藤蒼唯(1年)による区間賞に始まり、7区の安原太陽(3年)が区間5位、8区の赤星雄斗(3年)が区間4位、9区の山野力(4年)が区間3位、そして最後は10区の青柿響(3年)も区間2位で締め、総合10時間47分11秒で2年ぶり8回目の総合優勝および史上5校目の学生駅伝3冠を飾った。大会終了後、優勝会見で大八木弘明監督が本年度限りでの退任を発表した。

2位の中大は5区間中4区間で駒大に先行されたものの、全員が区間7位以内で走破し、総合2位を確保。実に22年ぶりのトップ3だった。

往路3位の青学大は6区で一時7位まで順位を落としたものの、9区・岸本大紀(4年)の区間賞などで猛追し、3位を確保。4位以降は國學院大、順大、早大、法大、創価大と続き、9位の城西大は5年ぶりのシード復帰だった。

4区終了時で4位につけた東京国際大は後続が続けず11位で4年連続シードはならず。1区の富田、7区の杉彩文海(3年)と2区間で区間賞を獲得した明大は、終盤2区間が区間17位、18位と沈み、総合12位に終わった。

大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は、4区で特大区間新を樹立したヴィンセントが2度目の受賞となった。

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第99回(2023年/令和5年) 駒大・大八木弘明監督が有終の美 中大が22年ぶりトップ3の準優勝

10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝を制し、史上5校目の大学駅伝3冠に王手をかけた駒大と、前回大会を総合・復路新記録で制した青学大による優勝争いが予想された。 また、出雲・全日本ともに2位の國學院大、前回2位の順大、出雲3位の中大も上位候補に挙げられた。 1区ではスタートしてすぐオープン参加の関東学生連合・新田颯(育英大)が抜け出し、独走を続ける。後続の集団はスロースタートとなったものの、8km過ぎにペースが上がり、徐々に先頭の新田との差を詰めていく。終盤に抜け出した明大の富田峻平(4年)が残り1kmで新田をかわし、そのまま区間賞を獲得。9秒差の2位に駒大が続き、新田が15秒差の区間3位相当で走り切った。 2区では先頭から18秒差の4位でスタートした中大・吉居大和(3年)が、2.1kmで前回区間賞の駒大・田澤廉(4年)を抜き去り2位に浮上すると、7km付近で明大をとらえて先頭へ。しばらく吉居の独走が続いたものの、一度は抜かれた田澤が12.2kmで逆転し、吉居は後方から追いついてきた青学大・近藤幸太郎(4年)とともに田澤を追っていく。 吉居は21km過ぎにスパートをかけると、中継所手前で田澤を再逆転し、トップで戸塚中継所へ。3秒差で田澤、4秒差で近藤が続き、吉居が区間歴代8位の1時間6分22秒で区間賞を手にした。 3区では先頭を走る中大の中野翔太(3年)がすぐ後ろで追いかける駒大の篠原倖太朗(2年)と青学大・横田俊吾(4年)を引き離して2区間続けてトップ中継。中野は区間賞も獲得した。 4区ではハイレベルな争いが繰り広げられた。2位でスタートした駒大・鈴木芽吹(3年)が7km手前で中大・吉居駿恭(1年)に追いつくと、しばらく並走。牽制してペースが落ち着いたところで3位の青学大・太田蒼生(2年)が猛烈な勢いで追いつき、14.3kmから3人の争いになる。15km過ぎで吉居が遅れると、鈴木と太田の一騎打ちへ。中継所500m手前で追いついた鈴木が逆転し、わずか1秒差でトップ中継。太田が区間記録にあと5秒と迫る快走を見せた。 しかし、太田と鈴木の快走を上回る走りを見せたのが東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(4年)だった。12位でタスキを受け取りと、8人を抜き去り4位に浮上。従来の区間記録を30秒も上回る1時間0分00秒で走り切り、1年時の3区、2年時の2区に続いて3区間目の区間記録樹立となった。 5区では駒大ルーキーの山川拓馬が後続を突き放し、19年ぶり4回目の往路優勝を飾った。青学大はこの区間で順位を落とし、中大が2位、青学大が3位でフィニッシュ。國學院大が4位、早大が5位で続き、四釜峻佑(4年)が11位から5つ順位を上げた順大が6位、9位でフィニッシュした城西大の山本唯翔(3年)は1時間10分04秒の区間新記録を樹立した。 駒大は復路でも盤石なタスキリレーを披露。6区の伊藤蒼唯(1年)による区間賞に始まり、7区の安原太陽(3年)が区間5位、8区の赤星雄斗(3年)が区間4位、9区の山野力(4年)が区間3位、そして最後は10区の青柿響(3年)も区間2位で締め、総合10時間47分11秒で2年ぶり8回目の総合優勝および史上5校目の学生駅伝3冠を飾った。大会終了後、優勝会見で大八木弘明監督が本年度限りでの退任を発表した。 2位の中大は5区間中4区間で駒大に先行されたものの、全員が区間7位以内で走破し、総合2位を確保。実に22年ぶりのトップ3だった。 往路3位の青学大は6区で一時7位まで順位を落としたものの、9区・岸本大紀(4年)の区間賞などで猛追し、3位を確保。4位以降は國學院大、順大、早大、法大、創価大と続き、9位の城西大は5年ぶりのシード復帰だった。 4区終了時で4位につけた東京国際大は後続が続けず11位で4年連続シードはならず。1区の富田、7区の杉彩文海(3年)と2区間で区間賞を獲得した明大は、終盤2区間が区間17位、18位と沈み、総合12位に終わった。 大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は、4区で特大区間新を樹立したヴィンセントが2度目の受賞となった。

第99回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 駒大    10時間47分11秒 2位 中大    10時間48分53秒 3位 青学大   10時間54分25秒 4位 國學院大  10時間55分01秒 5位 順大    10時間55分18秒 6位 早大    10時間55分21秒 7位 法大    10時間55分28秒 8位 創価大   10時間55分55秒 9位 城西大   10時間58分22秒 10位 東洋大   10時間58分26秒 11位 東京国際大 10時間59分58秒 12位 明大    11時間01分37秒 13位 帝京大   11時間03分29秒 14位 山梨学大  11時間04分02秒 15位 東海大   11時間06分02秒 16位 大東大   11時間06分08秒 17位 日体大   11時間06分32秒 18位 立教大   11時間10分38秒 19位 国士大   11時間13分56秒 20位 専大    11時間19分28秒 - 関東学生連合 11時間17分13秒 ●区間賞 1区 富田峻平(明大)       1時間02分44秒 2区 吉居大和(中大)       1時間06分22秒 3区 中野翔太(中大)       1時間01分51秒 4区 Y.ヴィンセント(東京国際大) 1時間00分00秒 5区 山本唯翔(城西大)      1時間10分04秒 6区 伊藤蒼唯(駒大)          58分22秒 7区 葛西潤(創価大)       1時間02分43秒 7区 杉彩文海(明大)       1時間02分43秒 8区 宗像直輝(法大)       1時間04分16秒 8区 木本大地(東洋大)      1時間04分16秒 9区 岸本大紀(青学大)      1時間07分27秒 10区 西澤侑真(順大)       1時間08分42秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.21

早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]

NEWS 立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

2024.11.21

立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]

NEWS M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

2024.11.20

M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]

NEWS 第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

2024.11.20

第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]

NEWS 八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

2024.11.20

八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

東日本実業団連盟は11月20日、2024八王子ロングディスタンス(11月23日)のスタートリストを発表した。 来年の世界選手権男子10000mの参加標準記録(27分00秒00)の突破を狙う『S組』では、日本の実業団に所属 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top