2023.12.31
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第98回(2022年/令和4年)
青学大 往路・復路完全優勝
6位・中大が10年ぶりシード返り咲き
98回大会は、主力を欠きながら全日本大学駅伝で2連覇を達成した前回王者の駒大と、史上初めてエントリー16人全員が10000m28分台という驚異的な選手層を作り上げた青学大の2強対決と予想された。
1区では中大・吉居大和(2年)がハイペースを作り出し、5kmを14分07秒で通過。吉居は5.6kmで集団から抜け出すと、10kmを27分58秒という驚異的なペースで推移し、2007年に東海大・佐藤悠基が樹立した区間記録を15年ぶりに26秒も上回る1時間0分40秒で21.3kmを走破した。
前回覇者の駒大が2位で続き、青学大も僅差の5位と優勝候補は順風な好スタートを切った。
2区では駒大・田澤廉(3年)が首位に浮上。駒大勢では1986年の大八木弘明監督(現・総監督)以来36年ぶりとなる区間賞を手にした。1分02秒差の2位に青学大、その10秒遅れでライモイ・ヴィンセント(4年)が8人抜きを演じた国士大が続いた。前回大会で区間記録を樹立した東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(3年)は、レース中に脚を痛めた影響でペースを落とし、区間5位に留まった。
3区では後方から追い上げた東京国際大の丹所健(3年)と青学大の太田蒼生(1年)が先頭の駒大・安原太陽(2年)を逆転し、2人でハイレベルな競り合いを続ける。18.3kmで太田が抜け出し、トップでタスキリレー。12秒差で続いた丹所が日本人歴代最速タイムとなる1時間0分55秒で区間賞を手にした。駒大はこの区間で5位まで転落した。
青学大は4区の飯田貴之(4年)が区間3位と好走してリードを1分37秒に広げると、5区の若林宏樹(1年)も区間3位と安定した走りを披露し、2年ぶり5回目の往路優勝を果たした。
3区で3位まで順位を上げた帝京大は4区で4位と落としたものの、5区で細谷翔馬(4年)が2年連続区間賞の力走で2位までジャンプアップ。往路最高成績を記録した。
往路3位は駒大、4位は國學院と続き、2区終了時点で17位と大きく出遅れた順大が5位とジャンプアップ。なお、5区では東海大の吉田響が区間2位、若林が区間3位、中大の阿部陽樹が区間6位と1年生の活躍が光った。
往路で2分37秒のリードを確保した青学大は、復路で勢いを増す。6区こそ区間8位だったものの、7区の岸本大紀(3年)が区間賞、8区の佐藤一世(2年)が区間2位とこの時点で2位に上がった順大に4分32秒差。
そこから9区の中村唯翔、10区の中倉啓敦(ともに3年)が連続区間新でライバル校にとどめを刺し、2年ぶり6回目の総合優勝を飾った。
青学大の総合タイムは2年前に自校がマークした大会記録を1分41秒も上回る10時間43分42秒まで更新し、2位に10分51秒もの大差をつけた。
総合2位は順大。6区の牧瀬圭斗、8区の津田将希と2人の4年生が区間トップの走りで2位に浮上すると、最後まで順位を守った。
連覇を狙った駒大が3位、東洋大が4位と続き、東京国際大が過去最高タイの5位、中大が10年ぶりシードとなる6位でフィニッシュした。
一方、上位候補だった東海大、早大、明大がそろって11位、13位、14位とシードを落とす波乱もあった。
大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は、1区の吉居と9区の中村が受賞し、1大会で複数人が受賞するのは2007年の佐藤悠基(東海大)、今井正人(順大)以来2例目だった。
第98回(2022年/令和4年) 青学大 往路・復路完全優勝 6位・中大が10年ぶりシード返り咲き
98回大会は、主力を欠きながら全日本大学駅伝で2連覇を達成した前回王者の駒大と、史上初めてエントリー16人全員が10000m28分台という驚異的な選手層を作り上げた青学大の2強対決と予想された。 1区では中大・吉居大和(2年)がハイペースを作り出し、5kmを14分07秒で通過。吉居は5.6kmで集団から抜け出すと、10kmを27分58秒という驚異的なペースで推移し、2007年に東海大・佐藤悠基が樹立した区間記録を15年ぶりに26秒も上回る1時間0分40秒で21.3kmを走破した。 前回覇者の駒大が2位で続き、青学大も僅差の5位と優勝候補は順風な好スタートを切った。 2区では駒大・田澤廉(3年)が首位に浮上。駒大勢では1986年の大八木弘明監督(現・総監督)以来36年ぶりとなる区間賞を手にした。1分02秒差の2位に青学大、その10秒遅れでライモイ・ヴィンセント(4年)が8人抜きを演じた国士大が続いた。前回大会で区間記録を樹立した東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(3年)は、レース中に脚を痛めた影響でペースを落とし、区間5位に留まった。 3区では後方から追い上げた東京国際大の丹所健(3年)と青学大の太田蒼生(1年)が先頭の駒大・安原太陽(2年)を逆転し、2人でハイレベルな競り合いを続ける。18.3kmで太田が抜け出し、トップでタスキリレー。12秒差で続いた丹所が日本人歴代最速タイムとなる1時間0分55秒で区間賞を手にした。駒大はこの区間で5位まで転落した。 青学大は4区の飯田貴之(4年)が区間3位と好走してリードを1分37秒に広げると、5区の若林宏樹(1年)も区間3位と安定した走りを披露し、2年ぶり5回目の往路優勝を果たした。 3区で3位まで順位を上げた帝京大は4区で4位と落としたものの、5区で細谷翔馬(4年)が2年連続区間賞の力走で2位までジャンプアップ。往路最高成績を記録した。 往路3位は駒大、4位は國學院と続き、2区終了時点で17位と大きく出遅れた順大が5位とジャンプアップ。なお、5区では東海大の吉田響が区間2位、若林が区間3位、中大の阿部陽樹が区間6位と1年生の活躍が光った。 往路で2分37秒のリードを確保した青学大は、復路で勢いを増す。6区こそ区間8位だったものの、7区の岸本大紀(3年)が区間賞、8区の佐藤一世(2年)が区間2位とこの時点で2位に上がった順大に4分32秒差。 そこから9区の中村唯翔、10区の中倉啓敦(ともに3年)が連続区間新でライバル校にとどめを刺し、2年ぶり6回目の総合優勝を飾った。 青学大の総合タイムは2年前に自校がマークした大会記録を1分41秒も上回る10時間43分42秒まで更新し、2位に10分51秒もの大差をつけた。 総合2位は順大。6区の牧瀬圭斗、8区の津田将希と2人の4年生が区間トップの走りで2位に浮上すると、最後まで順位を守った。 連覇を狙った駒大が3位、東洋大が4位と続き、東京国際大が過去最高タイの5位、中大が10年ぶりシードとなる6位でフィニッシュした。 一方、上位候補だった東海大、早大、明大がそろって11位、13位、14位とシードを落とす波乱もあった。 大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は、1区の吉居と9区の中村が受賞し、1大会で複数人が受賞するのは2007年の佐藤悠基(東海大)、今井正人(順大)以来2例目だった。第98回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 青学大 10時間43分42秒 2位 順大 10時間54分33秒 3位 駒大 10時間54分57秒 4位 東洋大 10時間54分59秒 5位 東京国際大 10時間55分14秒 6位 中大 10時間55分44秒 7位 創価大 10時間56分30秒 8位 國學院大 10時間57分10秒 9位 帝京大 10時間58分06秒 10位 法大 10時間58分46秒 11位 東海大 10時間59分38秒 12位 神奈川大 11時間00分00秒 13位 早大 11時間00分03秒 14位 明大 11時間00分28秒 15位 国士大 11時間03分06秒 16位 中央学大 11時間07分33秒 17位 日体大 11時間11分11秒 18位 山梨学大 11時間11分21秒 19位 駿河台大 11時間13分42秒 20位 専大 11時間15分09秒 - 関東学生連合 11時間00分25秒 ●区間賞 1区 吉居大和(中大) 1時間00分40秒 2区 田澤廉(駒大) 1時間06分13秒 3区 丹所健(東京国際大) 1時間00分55秒 4区 嶋津雄大(創価大) 1時間01分08秒 5区 細谷翔馬(帝京大) 1時間10分33秒 6区 牧瀬圭斗(順大) 58分22秒 7区 岸本大紀(青学大) 1時間02分39秒 8区 津田将希(順大) 1時間04分29秒 9区 中村唯翔(青学大) 1時間07分15秒 10区 中倉啓敦(青学大) 1時間07分50秒
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