2023.12.30
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第94回(2018年/平成30年)
往路は東洋大が独走V 青学大は6区で首位、7区林が区間新
前回大会で総合3連覇を達成し、史上4校目の学生三大駅伝3冠を成し遂げるなど2016年度は青学大。しかし、17年度になると、10月の出雲は東海大が10年ぶりに制し、11月の全日本は神奈川大が20年ぶりの優勝。一方の王者・青学大は出雲2位、全日本3位と敗れた。正月の94回大会はこの「3強」が注目を集め、激戦が予想された。
1区は東洋大のルーキー・西山和弥がトップで中継。87回大会(2011年)の大迫傑(早大)以来、7年ぶりに1年生が1区を制した。
花の2区では前回区間賞の神奈川大・鈴木健吾(4年)と、青学大の森田歩稀(3年)が先行するチームをかわし、2位争いを演じながら先頭の東洋大・相澤晃(2年)をうかがう。だが、相澤も安定したペースを刻み、最後までトップを守った。次いで、森田が終盤に鈴木を振り切り、相澤から22秒差で中継。13人抜きで4位まで一気に押し上げた山梨学大のドミニク・ニャイロ(3年)とともに1時間7分15秒で区間賞を分け合った。
3区も東洋大が首位をひた走った。山本修二(3年)は序盤こそ、青学大・田村和希(4年)の猛追で一時は12秒差まで迫られるが、終盤に田村がペースダウンすると、押し返していく。後方では早大が6位から3位に躍進し、神奈川大は4位に後退。2区で13位から5位にジャンプアップした拓大は順位をキープした。
4区は東洋大の吉川洋次(1年)は前回の区間賞タイムを大幅に上回るペースで差を2分03秒まで広げた。区間賞を獲得したのは神奈川大・大塚倭(4年)。1時間2分21秒の区間新をマークして前を走る早大を抜き、2位の青学大とはこの区間だけで1分18秒縮めて36秒差に迫った。
東洋大は5区も1年生の田中龍誠を起用。2分以上もの「貯金」を生かし、マイペースで上っていく。2位の青学大・竹石尚人(2年)は着実にその差を詰めていくが、田中はトップを譲らず、4年ぶり6度目の往路優勝のフィニッシュテープを切った。
青学大は36秒差で2位と復路での逆転に向けて射程圏。3位は早大で、拓大が往路最高順位となる4位に食い込んだ。5位の法大は、小田原で14位発進だったものの、青木涼真(2年)が距離変更された前回の区間記録(1時間12分46秒)を1分02秒も上回る1時間11分44秒の区間新記録で9つ順位を上げた。
復路は青学大が描いた筋書き通りにレースが進む。3年連続6区となる小野田勇次(3年)が、首位の東洋大・今西駿介(2年)を15km付近で追いつくと、400mほど走ったところで引き離した。58分03秒と区間記録(58秒01秒)こそ、あと2秒届かなかったものの、「3度目の正直」で区間賞を獲得。2位の東洋大に52秒差をつけた。
7区では林奎介(3年)が、驚異の走りで総合4連覇を手繰り寄せていく。ハイペースを保ったまま、1時間2分16秒で走破。88回大会(2012年)で設楽悠太(東洋大)が出した区間記録1時間2分32秒を更新した。さらに、8区の下田裕太(4年)もこの区間で3年連続の区間賞となる好走で、東洋大には6分15秒差と大きく広げた。
その後は青学大の「Vロード」。9区の近藤修一郎(4年)、10区の橋間貴弥(3年)もがっちり首位を守り、史上6校目の総合4連覇を達成した。
2位は東洋大が入り、3位は早大。優勝候補の東海大は5位にとどまり、神奈川大は13位とまさかのシード落ちとなった。また、駒大が12位に終わり、9年ぶりにシード権を失った。金栗四三杯は7区区間新の青学大・林が受賞した。
第94回(2018年/平成30年) 往路は東洋大が独走V 青学大は6区で首位、7区林が区間新
前回大会で総合3連覇を達成し、史上4校目の学生三大駅伝3冠を成し遂げるなど2016年度は青学大。しかし、17年度になると、10月の出雲は東海大が10年ぶりに制し、11月の全日本は神奈川大が20年ぶりの優勝。一方の王者・青学大は出雲2位、全日本3位と敗れた。正月の94回大会はこの「3強」が注目を集め、激戦が予想された。 1区は東洋大のルーキー・西山和弥がトップで中継。87回大会(2011年)の大迫傑(早大)以来、7年ぶりに1年生が1区を制した。 花の2区では前回区間賞の神奈川大・鈴木健吾(4年)と、青学大の森田歩稀(3年)が先行するチームをかわし、2位争いを演じながら先頭の東洋大・相澤晃(2年)をうかがう。だが、相澤も安定したペースを刻み、最後までトップを守った。次いで、森田が終盤に鈴木を振り切り、相澤から22秒差で中継。13人抜きで4位まで一気に押し上げた山梨学大のドミニク・ニャイロ(3年)とともに1時間7分15秒で区間賞を分け合った。 3区も東洋大が首位をひた走った。山本修二(3年)は序盤こそ、青学大・田村和希(4年)の猛追で一時は12秒差まで迫られるが、終盤に田村がペースダウンすると、押し返していく。後方では早大が6位から3位に躍進し、神奈川大は4位に後退。2区で13位から5位にジャンプアップした拓大は順位をキープした。 4区は東洋大の吉川洋次(1年)は前回の区間賞タイムを大幅に上回るペースで差を2分03秒まで広げた。区間賞を獲得したのは神奈川大・大塚倭(4年)。1時間2分21秒の区間新をマークして前を走る早大を抜き、2位の青学大とはこの区間だけで1分18秒縮めて36秒差に迫った。 東洋大は5区も1年生の田中龍誠を起用。2分以上もの「貯金」を生かし、マイペースで上っていく。2位の青学大・竹石尚人(2年)は着実にその差を詰めていくが、田中はトップを譲らず、4年ぶり6度目の往路優勝のフィニッシュテープを切った。 青学大は36秒差で2位と復路での逆転に向けて射程圏。3位は早大で、拓大が往路最高順位となる4位に食い込んだ。5位の法大は、小田原で14位発進だったものの、青木涼真(2年)が距離変更された前回の区間記録(1時間12分46秒)を1分02秒も上回る1時間11分44秒の区間新記録で9つ順位を上げた。 復路は青学大が描いた筋書き通りにレースが進む。3年連続6区となる小野田勇次(3年)が、首位の東洋大・今西駿介(2年)を15km付近で追いつくと、400mほど走ったところで引き離した。58分03秒と区間記録(58秒01秒)こそ、あと2秒届かなかったものの、「3度目の正直」で区間賞を獲得。2位の東洋大に52秒差をつけた。 7区では林奎介(3年)が、驚異の走りで総合4連覇を手繰り寄せていく。ハイペースを保ったまま、1時間2分16秒で走破。88回大会(2012年)で設楽悠太(東洋大)が出した区間記録1時間2分32秒を更新した。さらに、8区の下田裕太(4年)もこの区間で3年連続の区間賞となる好走で、東洋大には6分15秒差と大きく広げた。 その後は青学大の「Vロード」。9区の近藤修一郎(4年)、10区の橋間貴弥(3年)もがっちり首位を守り、史上6校目の総合4連覇を達成した。 2位は東洋大が入り、3位は早大。優勝候補の東海大は5位にとどまり、神奈川大は13位とまさかのシード落ちとなった。また、駒大が12位に終わり、9年ぶりにシード権を失った。金栗四三杯は7区区間新の青学大・林が受賞した。第94回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 青学大 10時間57分39秒 2位 東洋大 11時間02分32秒 3位 早大 11時間09分09秒 4位 日体大 11時間09分28秒 5位 東海大 11時間10分09秒 6位 法大 11時間10分20秒 7位 城西大 11時間12分12秒 8位 拓大 11時間12分32秒 9位 帝京大 11時間13分26秒 10位 中央学大11時間14分25秒 11位 順大 11時間14分39秒 12位 駒大 11時間15分13秒 13位 神奈川大11時間17分08秒 14位 國學院大11時間18分06秒 15位 中大 11時間19分26秒 16位 大東大 11時間22分58秒 17位 東京国際大11時間22分59秒 18位 山梨学大11時間23分24秒 19位 国士大 11時間26分42秒 20位 上武大 11時間32分42秒 - 関東学連選抜11時間40分02秒 ●区間賞 1区 西山和弥(東洋大) 1時間02分16秒 2区 森田歩希(青学大) 1時間07分15秒 D.ニャイロ(山梨学大) 3区 山本修二(東洋大) 1時間02分17秒 4区 大塚倭(神奈川大) 1時間02分21秒 5区 青木涼真(法大) 1時間11分44秒 6区 小野田勇次(青学大) 58分03秒 7区 林奎介(青学大) 1時間02分16秒 8区 下田裕太(青学大) 1時間04分46秒 9区 清水歓太(早大) 1時間10分39秒 10区 小笹椋(東洋大) 1時間11分09秒
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