2023.12.26
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第79回(2003年/平成15年)
駒大が初の連覇!出場枠が20、関東学連選抜が初編成
全日本大学駅伝で連覇を達成した駒大と、出雲駅伝を制して全日本も2位に食い込んだ山梨学大が優勝候補に挙げられた。今大会から大幅にルール変更があり、出場枠が従来の15から「20」となり、うち1つはオープン参加として関東学連選抜が初編成。予選会で落選した大学から1校2名以内を基準として16名のメンバーが選出された(出走は1大学1名)。シード権も1つ増枠して上位10チームに与えられることになった。
出場枠が増えたことにより、前回出場校はすべて予選会を通過。東洋大が3年ぶり、中央学大が4年ぶり、拓大と國學院大が2年ぶりに予選会を通過して本戦出場を果たした。
1区は前年に続くスロースタートとなり、19km過ぎで抜け出した駒大の内田直将(3年)が区間賞を獲得。12秒差で神奈川大の下里和義(2年)、さらに3秒差で山梨学大の橋ノ口滝一(3年)と続き、そこから10秒以内に10校がなだれ込む大混戦となった。
2区では先頭の駒大・松下龍治(4年)に山梨学大のオンベチェ・モカンバ(2年)、日大の清水将也(4年)、中大の藤原正和(4年)が並び、4校による首位争いが展開された。15kmで清水が脱落すると、21kmでモカンバも遅れはじめ、最後の上り坂で藤原がスパート。中大勢として35年ぶりに戸塚中継所トップ通過を果たし、藤原は1年時の5区以来となる区間賞を獲得した。
出場校が20チームに増えたこと、1区が混戦だったことで、この区間では多くの“ごぼう抜き”が見られた。藤原が7人抜きで首位に躍り出ると、後方では順大の中川拓郎(4年)が史上最多となる15人抜きを達成して4位に浮上。そのほか、関東学院大の尾田賢典(4年)が12人抜き、中央学大の福山良祐(4年)が9人抜き、早大の森村哲(4年)が8人抜きと快走した。
3区では上位6校に順位変動が見られなかったものの、最下位(19位/関東学連選抜を入れれば20番手)でタスキを受けた國學院大の山岡雅義(3年)がチーム史上初となる区間賞の活躍で9人抜きを達成。予選会でチーム内12番手に沈んだ汚名を返上する快走だった。
続く4区。山梨学大のデビット・カリウキ(4年)が区間トップの走りで首位に立った。日大も藤井周一(3年)が区間2位の好走で5位から2位にジャンプアップし、3位・中大、4位・駒大、5位・東洋大という順で5区にタスキが渡った。
5区では駒大の田中宏樹(2年)が猛烈な勢いで2人を抜いて2位へ上がったが、トップを走る山梨学大・森本直人(1年)の背中は遠い。森本は区間4位と安定した走りで後続の追随を許さず、9年ぶりとなる往路優勝のテープを切った。
往路2位は1分39秒差で駒大。日大が10年ぶりの往路トップ3に入り、大東大が4位、ルーキー・中井祥太が驚異の区間新記録を樹立した東海大が5位でフィニッシュした。
18年ぶりに大雪の中でスタートした復路は、山梨学大が6区、7区と駒大との差を徐々に広げ、7区終了時点で1分53秒差までリードを拡大。このまま逃げ切りを図りたいところだったが、ここから駒大の驚異の追い上げが始まった。
駒大は8区の太田貴之(2年)が区間賞の走りで先頭との差を55秒詰めると、9区の島村清孝も区間トップの走りで先頭をいく山梨学大の清家健(4年)を逆転。一気に1分31秒のリードを奪った。
10区の北浦政史(3年)もとどめの区間新記録で後続との差を大きく広げ、駒大が悠々と2連覇のフィニッシュ。山梨学大は9区以降で区間12位、区間10位と沈んで2位。日大が11年ぶりの好成績となる3位に食い込み、往路12位だった中大は野村俊輔(2年)の6区区間賞などで5位まで順位を上げた。
今回から増枠されたシード権争いは最後の最後まで予測できない大混戦へ。9区終了時点で11位だった東洋大は岩田豪(4年)の5人抜きで6位までジャンプアップ。そこから9秒差で東海大、8秒差で順大、18秒差で日体大と続き、4年ぶり4回目の出場だった中央学大が最後の1枠をつかんで初のシード権獲得となった。9区時点で6位だった神奈川大は次々と順位を落とし、総合11位でまさかのシード陥落となった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第79回(2003年/平成15年) 駒大が初の連覇!出場枠が20、関東学連選抜が初編成
全日本大学駅伝で連覇を達成した駒大と、出雲駅伝を制して全日本も2位に食い込んだ山梨学大が優勝候補に挙げられた。今大会から大幅にルール変更があり、出場枠が従来の15から「20」となり、うち1つはオープン参加として関東学連選抜が初編成。予選会で落選した大学から1校2名以内を基準として16名のメンバーが選出された(出走は1大学1名)。シード権も1つ増枠して上位10チームに与えられることになった。 出場枠が増えたことにより、前回出場校はすべて予選会を通過。東洋大が3年ぶり、中央学大が4年ぶり、拓大と國學院大が2年ぶりに予選会を通過して本戦出場を果たした。 1区は前年に続くスロースタートとなり、19km過ぎで抜け出した駒大の内田直将(3年)が区間賞を獲得。12秒差で神奈川大の下里和義(2年)、さらに3秒差で山梨学大の橋ノ口滝一(3年)と続き、そこから10秒以内に10校がなだれ込む大混戦となった。 2区では先頭の駒大・松下龍治(4年)に山梨学大のオンベチェ・モカンバ(2年)、日大の清水将也(4年)、中大の藤原正和(4年)が並び、4校による首位争いが展開された。15kmで清水が脱落すると、21kmでモカンバも遅れはじめ、最後の上り坂で藤原がスパート。中大勢として35年ぶりに戸塚中継所トップ通過を果たし、藤原は1年時の5区以来となる区間賞を獲得した。 出場校が20チームに増えたこと、1区が混戦だったことで、この区間では多くの“ごぼう抜き”が見られた。藤原が7人抜きで首位に躍り出ると、後方では順大の中川拓郎(4年)が史上最多となる15人抜きを達成して4位に浮上。そのほか、関東学院大の尾田賢典(4年)が12人抜き、中央学大の福山良祐(4年)が9人抜き、早大の森村哲(4年)が8人抜きと快走した。 3区では上位6校に順位変動が見られなかったものの、最下位(19位/関東学連選抜を入れれば20番手)でタスキを受けた國學院大の山岡雅義(3年)がチーム史上初となる区間賞の活躍で9人抜きを達成。予選会でチーム内12番手に沈んだ汚名を返上する快走だった。 続く4区。山梨学大のデビット・カリウキ(4年)が区間トップの走りで首位に立った。日大も藤井周一(3年)が区間2位の好走で5位から2位にジャンプアップし、3位・中大、4位・駒大、5位・東洋大という順で5区にタスキが渡った。 5区では駒大の田中宏樹(2年)が猛烈な勢いで2人を抜いて2位へ上がったが、トップを走る山梨学大・森本直人(1年)の背中は遠い。森本は区間4位と安定した走りで後続の追随を許さず、9年ぶりとなる往路優勝のテープを切った。 往路2位は1分39秒差で駒大。日大が10年ぶりの往路トップ3に入り、大東大が4位、ルーキー・中井祥太が驚異の区間新記録を樹立した東海大が5位でフィニッシュした。 18年ぶりに大雪の中でスタートした復路は、山梨学大が6区、7区と駒大との差を徐々に広げ、7区終了時点で1分53秒差までリードを拡大。このまま逃げ切りを図りたいところだったが、ここから駒大の驚異の追い上げが始まった。 駒大は8区の太田貴之(2年)が区間賞の走りで先頭との差を55秒詰めると、9区の島村清孝も区間トップの走りで先頭をいく山梨学大の清家健(4年)を逆転。一気に1分31秒のリードを奪った。 10区の北浦政史(3年)もとどめの区間新記録で後続との差を大きく広げ、駒大が悠々と2連覇のフィニッシュ。山梨学大は9区以降で区間12位、区間10位と沈んで2位。日大が11年ぶりの好成績となる3位に食い込み、往路12位だった中大は野村俊輔(2年)の6区区間賞などで5位まで順位を上げた。 今回から増枠されたシード権争いは最後の最後まで予測できない大混戦へ。9区終了時点で11位だった東洋大は岩田豪(4年)の5人抜きで6位までジャンプアップ。そこから9秒差で東海大、8秒差で順大、18秒差で日体大と続き、4年ぶり4回目の出場だった中央学大が最後の1枠をつかんで初のシード権獲得となった。9区時点で6位だった神奈川大は次々と順位を落とし、総合11位でまさかのシード陥落となった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第79回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 駒大 11時間03分47秒 2位 山梨学大 11時間08分28秒 3位 日大 11時間12分52秒 4位 大東大 11時間15分15秒 5位 中大 11時間16分27秒 6位 東洋大 11時間16分56秒 7位 東海大 11時間17分05秒 8位 順大 11時間17分13秒 9位 日体大 11時間17分31秒 10位 中央学大 11時間17分33秒 11位 神奈川大 11時間17分57秒 12位 拓大 11時間19分05秒 13位 帝京大 11時間20分17秒 14位 國學院大 11時間22分40秒 15位 早大 11時間22分42秒 16位 法大 11時間27分30秒 17位 亜細亜大 11時間27分32秒 18位 関東学院大 11時間28分37秒 19位 専大 11時間34分12秒 OP 関東学連選抜 11時間27分21秒 ●区間賞 1区 内田直将(駒大) 1時間04分36秒 2区 藤原正和(中大) 1時間07分31秒 3区 山岡雅義(國學院大) 1時間03分25秒 4区 D.カリウキ(山梨学大) 1時間01分32秒 5区 中井祥太(東海大) 1時間11分29秒 6区 野村俊輔(中大) 58分54秒 7区 岩永暁如(山梨学大) 1時間05分26秒 8区 太田貴之(駒大) 1時間05分40秒 9区 島村清孝(駒大) 1時間09分02秒 10区 北浦政史(駒大) 1時間09分54秒
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