HOME 学生長距離

2023.12.17

【Playback箱根駅伝】第44回/日大が連覇で「V11」日体大が過去最高の2位 大東大が初出場
【Playback箱根駅伝】第44回/日大が連覇で「V11」日体大が過去最高の2位 大東大が初出場

第44回箱根駅伝/1区の釘本重孝から2区の鈴木従道への中継

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第44回(1968年/昭和43年)
日大が2年連続の往路・復路完全優勝、土谷和夫が4年連続区間賞

メキシコ五輪が開催された1968年。第44回大会は大東大が初参加した。

4年ぶり奪還を狙う中大は、1区の吉田義数が区間賞を獲得。続く2区の白井省も区間2位と好発進する。一方、連覇に挑む日大は1区の釘本重孝が区間4位、2区の鈴木従道が区間3位と後方から展開。2区は国士大の井上俊が区間賞を獲得した。

日大は3区の鈴木圀昭が区間賞となるが、5区へタスキが渡った時点でトップの中大とは2分02秒差、2位の順大とは57秒差があった。しかし3度目の5区山上りとなった大槻憲一が力走。山道にかかる箱根湯本駅前からスピードを上げ、山道を這うような走法で中大の谷口欣也、順大の馬場俊一をとらえて逆転した。大槻は1時間11分18秒の区間新記録を樹立。2位の順大に2分18秒差をつけた。

6区山下りも日大の内野幸吉が2年連続で区間賞を獲得。箱根の山を制し、独走態勢を築いた。後続では7区で中大の健木栄司が区間新の走りで猛追し、順大をかわして2位へ。さらに8区では東洋大の山本哲が区間賞を獲得し、順位変動こそなかったものの、この時点で復路順位が1位となった。

日大は9区の藤田国夫、アンカーの土谷和夫と前回の区間賞コンビで安定感を見せ、11時間26分06秒で2年連続11回目の優勝となった。10区の土谷は1年生で2区、2年生以降は10区ですべて区間賞を獲得した。

日大は復路も5時間41分03秒で制し、2年連続で往路・復路完全制覇。往路4位、復路3位の日体大が過去最高の2位に入った。往路2位の順大は3位、9区で一度は3位に躍り出た東洋大は復路2位、総合4位となった。また、青学大は過去最高の7位、初出場の大東大は最下位の15位だった。

広告の下にコンテンツが続きます

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第44回(1968年/昭和43年) 日大が2年連続の往路・復路完全優勝、土谷和夫が4年連続区間賞

メキシコ五輪が開催された1968年。第44回大会は大東大が初参加した。 4年ぶり奪還を狙う中大は、1区の吉田義数が区間賞を獲得。続く2区の白井省も区間2位と好発進する。一方、連覇に挑む日大は1区の釘本重孝が区間4位、2区の鈴木従道が区間3位と後方から展開。2区は国士大の井上俊が区間賞を獲得した。 日大は3区の鈴木圀昭が区間賞となるが、5区へタスキが渡った時点でトップの中大とは2分02秒差、2位の順大とは57秒差があった。しかし3度目の5区山上りとなった大槻憲一が力走。山道にかかる箱根湯本駅前からスピードを上げ、山道を這うような走法で中大の谷口欣也、順大の馬場俊一をとらえて逆転した。大槻は1時間11分18秒の区間新記録を樹立。2位の順大に2分18秒差をつけた。 6区山下りも日大の内野幸吉が2年連続で区間賞を獲得。箱根の山を制し、独走態勢を築いた。後続では7区で中大の健木栄司が区間新の走りで猛追し、順大をかわして2位へ。さらに8区では東洋大の山本哲が区間賞を獲得し、順位変動こそなかったものの、この時点で復路順位が1位となった。 日大は9区の藤田国夫、アンカーの土谷和夫と前回の区間賞コンビで安定感を見せ、11時間26分06秒で2年連続11回目の優勝となった。10区の土谷は1年生で2区、2年生以降は10区ですべて区間賞を獲得した。 日大は復路も5時間41分03秒で制し、2年連続で往路・復路完全制覇。往路4位、復路3位の日体大が過去最高の2位に入った。往路2位の順大は3位、9区で一度は3位に躍り出た東洋大は復路2位、総合4位となった。また、青学大は過去最高の7位、初出場の大東大は最下位の15位だった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第44回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 日大   11時間26分06秒 2位 日体大  11時間37分39秒 3位 順大   11時間44分58秒 4位 東洋大  11時間45分13秒 5位 中大   11時間45分14秒 6位 国士大  11時間49分04秒 7位 青学大  12時間2分01秒 8位 亜細亜大 12時間08分10秒 9位 法大   12時間10分39秒 10位 早大   12時間12分02秒 11位 立大   12時間12分10秒 12位 東教大  12時間17分15秒 13位 専大   12時間21分25秒 14位 駒大   12時間30分17秒 15位 大東大  12時間35分11秒 ●区間賞 1区 吉田義数(中大) 1時間03分44秒 2区 井上俊(国士大) 1時間13分33秒 3区 鈴木圀昭(日大) 1時間02分18秒 4区 宇井光男(中大) 1時間08分39秒=区間新 5区 大槻憲一(日大) 1時間11分18秒=区間新 6区 内野幸吉(日大) 59分42秒 7区 健木栄司(中大) 1時間10分17秒=区間新 8区 山本哲(東洋大) 1時間04分37秒 9区 藤田国夫(日大) 1時間15分26秒 10区 土谷和夫(日大) 1時間06分49秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.03

100mHパリ五輪代表の福部真子が「菊池病」を公表 高熱などと闘う 練習再開「失ったもんは取り返す」

女子100mハードル日本記録保持者でパリ五輪代表の福部真子(日本建設工業)が自身のSNSを更新し、組織球性壊死性リンパ節炎、通称「菊池病」と診断されたことを明かした。 菊池病の主な症状は発熱と頸部(首)のリンパ節腫脹とい […]

NEWS やり投・北口榛花が今年も「変わり羽子板」に登場!「明るくなってほしい」と願い込め

2024.12.03

やり投・北口榛花が今年も「変わり羽子板」に登場!「明るくなってほしい」と願い込め

雛人形などを扱う人形専門店の「久月」が明るい話題を提供した人を描く「変わり羽子板」を12月3日にお披露目し、女子やり投の北口榛花(JAL)が昨年に続いてモデルとして採用された。 メジャーリーグの大谷翔平(ドジャース)や、 […]

NEWS 来年の東京デフリンピックへ向け熱戦!日本デフ選手権 国体出場歴もある佐々木琢磨が100m、200mで貫禄のV

2024.12.03

来年の東京デフリンピックへ向け熱戦!日本デフ選手権 国体出場歴もある佐々木琢磨が100m、200mで貫禄のV

聴覚障害のアスリートが競う第2回世界デフ国別・地域別対抗選手権(DAT)兼第21回日本デフ選手権が11月30日~12月1日に東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われた(ハンマー投のみ29日に大井で実施)。 […]

NEWS 1万mで塩尻和也が27分36秒37で1着タイ 山谷昌也27分50秒77 伊藤達彦、長嶋幸宝、鈴木健吾らも27分台/日体大長距離競技会

2024.12.02

1万mで塩尻和也が27分36秒37で1着タイ 山谷昌也27分50秒77 伊藤達彦、長嶋幸宝、鈴木健吾らも27分台/日体大長距離競技会

第318回日体大長距離競技会兼第13回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)が12月1日に行われ、NCG男子10000mは日本記録保持者の塩尻和也(富士通)、フィレモン・キプラガット(愛三工業)の2 […]

NEWS 東洋大男子長距離部門がセブン銀行と契約「日々挑戦する心で革新」箱根駅伝からロゴ入りユニ着用

2024.12.02

東洋大男子長距離部門がセブン銀行と契約「日々挑戦する心で革新」箱根駅伝からロゴ入りユニ着用

株式会社セブン銀行は12月2日、東洋大学陸上競技部男子長距離部門の公式トレーニングウェア・公式ユニフォームへのロゴ掲出に関する契約を締結したと発表した。 東洋大は箱根駅伝で優勝4度を誇り、19年連続シード権獲得中。スクー […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top