HOME 学生長距離

2023.12.04

【Playback箱根駅伝】第7回/中大が初の総合V 9区までトップの明大を逆転 10区失速の理由はりんご…?
【Playback箱根駅伝】第7回/中大が初の総合V 9区までトップの明大を逆転 10区失速の理由はりんご…?

第7回箱根駅伝10区・中大の湯本

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第7回(1926年/大正15年)
中大が念願の総合初優勝!10区で明大を逆転

第1回から参加していた早大と東京高師に加え、前回に人力車夫の替え玉を出場させていたことが発覚した日大が自主的に参加を辞退したため出場7校によって行われた。

1区では東大農実の藤巻伝之亟が2年連続で区間賞を獲得。2区では5位でタスキを受けた中大の中川英男が区間賞の走りで先頭に立った。中大は3区の山本光三が区間3位で首位をキープすると、4区の津島仙太郎が区間賞を獲得してリードを12分47秒に拡大する。

5区では前回区間賞の明大・八島健三が区間新記録の快走で猛追。しかし4区までのビハインドは大きく、平野太郎七も区間3位と堅実な走りを見せた中大が往路2連覇を果たした。

6区では明大が中大との差を7分48秒2から4分30秒に詰める。ところが7区で中大の西川行雄が区間賞の走りで7分28秒8に拡大する。明大は8区で追い上げるも9区を終えた時点で3分33秒の差があり、中大の初優勝は堅いと思われた。

しかし、10区で明大の永谷寿一が中大の湯本幸一を猛然と追い上げる。鈴ヶ森では湯本を捕らえて逆転。品川では逆に2分差をつけた。優勝は間違いないと見られたが、帝国ホテル前で永谷は突然失速するアクシデントに見舞われる。湯本は日比谷交差点で永谷を抜き返すと、そのままトップでフィニッシュ。中大が5回目の出場で初の総合優勝を成し遂げた。

フィニッシュ目前で優勝を逃した明大は41秒差の2位。永谷が終盤に失速した理由は、昼食にりんごを一つしか食べなかったための空腹によるものだったと伝えられている。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第7回(1926年/大正15年) 中大が念願の総合初優勝!10区で明大を逆転

第1回から参加していた早大と東京高師に加え、前回に人力車夫の替え玉を出場させていたことが発覚した日大が自主的に参加を辞退したため出場7校によって行われた。 1区では東大農実の藤巻伝之亟が2年連続で区間賞を獲得。2区では5位でタスキを受けた中大の中川英男が区間賞の走りで先頭に立った。中大は3区の山本光三が区間3位で首位をキープすると、4区の津島仙太郎が区間賞を獲得してリードを12分47秒に拡大する。 5区では前回区間賞の明大・八島健三が区間新記録の快走で猛追。しかし4区までのビハインドは大きく、平野太郎七も区間3位と堅実な走りを見せた中大が往路2連覇を果たした。 6区では明大が中大との差を7分48秒2から4分30秒に詰める。ところが7区で中大の西川行雄が区間賞の走りで7分28秒8に拡大する。明大は8区で追い上げるも9区を終えた時点で3分33秒の差があり、中大の初優勝は堅いと思われた。 しかし、10区で明大の永谷寿一が中大の湯本幸一を猛然と追い上げる。鈴ヶ森では湯本を捕らえて逆転。品川では逆に2分差をつけた。優勝は間違いないと見られたが、帝国ホテル前で永谷は突然失速するアクシデントに見舞われる。湯本は日比谷交差点で永谷を抜き返すと、そのままトップでフィニッシュ。中大が5回目の出場で初の総合優勝を成し遂げた。 フィニッシュ目前で優勝を逃した明大は41秒差の2位。永谷が終盤に失速した理由は、昼食にりんごを一つしか食べなかったための空腹によるものだったと伝えられている。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第7回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 中大 14時間17分31秒0 2位 明大 14時間18分12秒6 3位 日本歯科医専 14時間50分39秒2 4位 慶大 14時間56分02秒4 5位 法大 14時間59分49秒4 6位 東農大 15時間00分40秒8 7位 東大農学実科 16時間21分48秒2 ●区間賞 1区 藤巻伝之亟(東大農学部実科) 1時間23分20秒 2区 中川英男(中大) 1時間16分46秒8 3区 篠原繁雄(法大) 1時間24分41秒8 4区 津島仙太郎(中大) 1時間20分10秒8 5区 八島健三(明大) 1時間42分43秒2 6区 岡田秀夫(慶大) 1時間30分43秒2 7区 西川行雄(中大) 1時間15分57秒4 8区 福地悌冶(法大) 1時間21分44秒8 9区 水村浩(法大) 1時間15分23秒0 10区 永谷寿一(明大) 1時間21分20秒6

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.23

連覇目指す積水化学・山本有真「いい流れを作りたい」 資生堂・五島莉乃「チームのために最大限の走りを」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 前回優勝チームの積水化学からは2年連続で2区に登録された山本有真が出席。「去年の […]

NEWS パリ五輪マラソン6位の第一生命グループ・鈴木優花 1区登録に「殻を破りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

2024.11.23

パリ五輪マラソン6位の第一生命グループ・鈴木優花 1区登録に「殻を破りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 今夏のパリ五輪マラソンで6位入賞を果たした第一生命グループ・鈴木優花は、「マラソ […]

NEWS 約1年ぶり復帰のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳「感謝の気持ちを胸に走りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

2024.11.23

約1年ぶり復帰のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳「感謝の気持ちを胸に走りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 前回2位のJP日本郵政グループからは廣中璃梨佳が登壇。廣中は昨年12月の日本選手 […]

NEWS クイーンズ駅伝の区間オーダー発表!5区で積水化学・新谷仁美、日本郵政・鈴木亜由子、資生堂・一山麻緒が対決! 第一生命・鈴木優花は1区に

2024.11.23

クイーンズ駅伝の区間オーダー発表!5区で積水化学・新谷仁美、日本郵政・鈴木亜由子、資生堂・一山麻緒が対決! 第一生命・鈴木優花は1区に

第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024/11月24日)の前日となる11月23日、区間エントリーが行われ、出場する24チームのオーダーが発表された。 前回2年ぶりの優勝を飾った積水化学は、3区(1 […]

NEWS 強豪が激突!明日は東海と近畿で開催 年末の都大路出場校がすべて決まる/地区高校駅伝

2024.11.23

強豪が激突!明日は東海と近畿で開催 年末の都大路出場校がすべて決まる/地区高校駅伝

全国高校駅伝(12月22日/京都)の出場権を懸けた地区高校駅伝は明日11月24日、東海と近畿で行われる。今年の地区高校駅伝はこの2大会をもってすべて終了し、全国大会に出場する男女計116チームがすべて決まることになる。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top