2023.12.03
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第6回(1925年/大正14年)
1区は東大農学実科・藤巻が初の区間賞 7区で明大が中大を逆転
第5回に出場した9校に、中大も加えた10校が参加した。
1区では東大農学実科の藤巻伝之亟が区間賞の快走。チームに初の区間賞をもたらしたほか、初めてトップ中継も果たす。一方、前回優勝校の明大は7位、早大は10位とそれぞれ出遅れた。
その隙を突いてレースの主導権を握ったのが2年ぶり出場の中大。1区4位から2区の中川英男が区間2位と好走して先頭に立つと、4区の伊藤政視が区間賞を獲得するなど安定したレース運びを見せて初の往路優勝を果たした。
明大は前回に10区で逆転優勝の立役者となった八島健三が5区区間賞の力走で4位から2位まで順位を押し上げたが、中大とは5分34秒の差をつけられる。3位に東京高師、4位に早大と続いた。
復路がスタートした午前8時は零下13度の極寒。選手たちは防寒対策として長袖シャツを着こんだり、腹部に真綿を巻いたり、ワセリンを身体に塗り付けるなどの工夫を施してレースに臨んだ。
6区では明大の江俣広が区間2位と好走して中大との差を4分10秒に詰める。戦前は5区と6区のみ、同僚選手の伴走が認められており、前日の山上りで快走したばかりの八島が江俣の伴走を務めた。
7区では中大の関谷忠男は区間8位と苦戦。一方の明大は天野重朗が区間賞の快走を見せ国府津で中大を逆転。中大は東京高師にも抜かれて、順位を3位に落としてしまう。
明大は8区、9区でも首位をキープすると、10区の永谷寿一が区間賞の走りでリードを広げて2連覇を達成。終わってみれば、2位に27分9秒4の大差をつける圧勝だった。
2位は10区で順位を2つ上げた早大、往路優勝の中大は3位に終わった。
なお、7位の日大は3区に出場した選手が登録された学生ではなく、人力車の車夫が走っていたことが後に判明。この大会での成績は認められたものの、翌年の大会には出場を見送ることとなった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第6回(1925年/大正14年) 1区は東大農学実科・藤巻が初の区間賞 7区で明大が中大を逆転
第5回に出場した9校に、中大も加えた10校が参加した。 1区では東大農学実科の藤巻伝之亟が区間賞の快走。チームに初の区間賞をもたらしたほか、初めてトップ中継も果たす。一方、前回優勝校の明大は7位、早大は10位とそれぞれ出遅れた。 その隙を突いてレースの主導権を握ったのが2年ぶり出場の中大。1区4位から2区の中川英男が区間2位と好走して先頭に立つと、4区の伊藤政視が区間賞を獲得するなど安定したレース運びを見せて初の往路優勝を果たした。 明大は前回に10区で逆転優勝の立役者となった八島健三が5区区間賞の力走で4位から2位まで順位を押し上げたが、中大とは5分34秒の差をつけられる。3位に東京高師、4位に早大と続いた。 復路がスタートした午前8時は零下13度の極寒。選手たちは防寒対策として長袖シャツを着こんだり、腹部に真綿を巻いたり、ワセリンを身体に塗り付けるなどの工夫を施してレースに臨んだ。 6区では明大の江俣広が区間2位と好走して中大との差を4分10秒に詰める。戦前は5区と6区のみ、同僚選手の伴走が認められており、前日の山上りで快走したばかりの八島が江俣の伴走を務めた。 7区では中大の関谷忠男は区間8位と苦戦。一方の明大は天野重朗が区間賞の快走を見せ国府津で中大を逆転。中大は東京高師にも抜かれて、順位を3位に落としてしまう。 明大は8区、9区でも首位をキープすると、10区の永谷寿一が区間賞の走りでリードを広げて2連覇を達成。終わってみれば、2位に27分9秒4の大差をつける圧勝だった。 2位は10区で順位を2つ上げた早大、往路優勝の中大は3位に終わった。 なお、7位の日大は3区に出場した選手が登録された学生ではなく、人力車の車夫が走っていたことが後に判明。この大会での成績は認められたものの、翌年の大会には出場を見送ることとなった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第6回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 明大 14時間09分54秒8 2位 早大 14時間37分05秒2 3位 中大 14時間39分01秒2 4位 東京高師 14時間41分24秒2 5位 慶大 15時間15分50秒0 6位 東農大 15時間17分34秒2 7位 日大 15時間20分47秒8 8位 日本歯科医専 15時間38分35秒6 9位 東大農学実科 15時間40分18秒4 10位 法大 16時間00分03秒6 ●区間賞 1区 藤巻伝之亟(東大農学部実科) 1時間22分34秒 2区 前田喜太平(日大) 1時間18分53秒 3区 杉山弥三郎(東大農学部実科) 1時間18分39分4秒 4区 佐藤政視(中大) 1時間24分06分6秒 5区 八島健三(明大) 1時間45分34分8秒 6区 佐藤秀三郎(東京高師)1時間29分16秒 7区 天野重朗(明大) 1時間17分50秒 8区 不明 9区 不明 10区 永谷寿一(明大) 1時間19分04分0秒
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.16
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会