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2023.10.08

連覇狙う駒大・藤田敦史監督「プライド持ちつつ挑戦」中大・藤原監督「競り勝ちたい」/出雲駅伝前日会見
連覇狙う駒大・藤田敦史監督「プライド持ちつつ挑戦」中大・藤原監督「競り勝ちたい」/出雲駅伝前日会見

出雲駅伝の会見に臨んだ駒大・藤田敦史監督

◇第35回出雲駅伝(10月9日/6区間45.1km:島根・出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドームフィニッシュ)

学生三大駅伝の開幕戦となる出雲駅伝は10月9日(月・祝)に号砲が鳴る。前日に控えた今日(8日)、現地で前日会見が行われ、駒大、中大、青学大、國學院大、順大、早大、アイビーリーグ選抜の7チームの監督が出席しインタビューに応えた。

昨年度、出雲駅伝優勝を足掛かりに学生駅伝三冠を成し遂げた駒大。今季より指揮をとる藤田敦史監督は、「今回も優勝を意識してチーム作りを進めてきた」と言うが、「今回はチャレンジャーとして出雲に来ています」。“王者”としてではなく、“挑戦者”を強調し、駅伝初陣に臨む。

「昨年度三冠を達成したチームとしてプライドを持ちつつ、昨年度の最強チームに対する挑戦をテーマに掲げて強化に当たってまいりました」と言うように、あえて2年連続三冠という言葉を口にするのを避けて、選手たちの精神的負担を軽くした。

今大会は夏合宿前に仙骨を疲労骨折していた花尾恭輔(4年)と10000m27分台を持つ唐澤拓海(4年)がメンバーから外れたが、2区・佐藤圭汰(2年)と6区・鈴木芽吹(4年)は前回と同じオーダー。さらに、1区には、前回不出場の篠原倖太朗(3年)が入り、序盤から攻めのレースを見せそうだ。

その中で、藤田監督がキーマンに挙げるのが鈴木だ。「昨年度は田澤(廉、トヨタ自動車)という絶対的なエースがいたが、今年度は鈴木がどこまで田澤に近づけるか、どこまで精神的なチームの支柱となれるかがポイントとなる」。鈴木は「30秒まで」のビハインドなら跳ね返す力がある。主将として2年連続で優勝のフィニッシュテープを切ることができるのか。

駒大はこれまでに学生三大駅伝で通算27回の優勝を誇るが、意外にも出雲駅伝での優勝は4回だけ。そのうち2回は藤田監督が選手時代に成し遂げたものだ。監督として優勝を積み上げて、「過去最強」の更新を狙う。

駒大に対抗心を燃やすのが中大の藤原正和駅伝監督だ。「駒澤さんを非常に意識したオーダーを組んだ。佐藤圭汰君がおそらく2区に行くだろうということで、中野(翔太、4年)をぶつけて、なんとか競り勝ちたい」と真っ向勝負に挑む。

「昨年の3位以上はもちろん、てっぺんをとれるように、ここまでやってきた」と、頂点をも見据える。10月1日に世界ロードランニングに出場した吉居大和(4年)は補員に回ったものの、当日変更の可能性もある。強力なオーダーとなり、「4区、5区が追い風になりそうなので、そこでしっかりとアドバンテージを得て、アンカーの湯浅(仁、4年)に託して、トップで出雲ドームに帰ってきたい」と藤原監督は自信をのぞかせる。

5年ぶり5回目の優勝を目標に掲げるのが青学大。原晋監督は「非常に暑い夏合宿だったが、順調に練習を消化し、故障率が非常に少なかった」と話すように、充実した夏になった様子だ。キーマンに挙げるのは、1区・野村昭夢(3年)、6区・鶴川正也(3年)。力がありながらも今回が三大駅伝デビュー戦となる2人が、チームの命運を握る。

前回準優勝の國學院大も、「4年ぶりのてっぺんを目指しながら戦っていきたい」と前田康弘監督が言うように、4年ぶりの優勝を見据える。3区・伊地知賢造(4年)、4区・山本歩夢(2年)、6区・平林清澄(2年)の3本柱がしっかりしているだけに、前田監督がキーマンに挙げる1区・上原琉翔(2年)、2区・青木瑠郁(2年)で上位につけることができれば、グッと頂点が近づくだろう。

順大は昨年度までの主力の多くが卒業しただけに、「初めての選手が多いので、チャレンジングな気持ちで戦いたい」と長門俊介駅伝監督は言う。キーマンは、1区にエントリーされたルーキーの吉岡大翔。「学生は3位以内を目標に掲げるが、一つでも上の順位を目指したい」と長門監督が言うように、吉岡の走りで勢いづけるかが、チームの浮沈の鍵となりそうだ。なお、ブダペスト世界選手権3000m障害入賞の三浦龍司(4年)は補員に登録されている。

早大の花田勝彦駅伝監督は、指揮官として初めての出雲駅伝となる。最上級生も好調というが、「将来的に優勝を目指そうというチーム」というように、1~3年生でオーダーを組んだ。特に3区までは、伊藤大志(3年)、山口智規(2年)、石塚陽士(3年)と序盤にエース格を並べた。「(同席している5大学から)まずは1強でも崩して、トップ5に入りたい」と、2年ぶりの出雲路で上位進出を狙う。

アイビーリーグ選抜は4年ぶりの出場。主力に故障者が出て、想定したオーダーを組めなかったが、「過去最高順位の8位以内を目指したい」とジョン・フルツ監督は意気込みを語った。

第35回出雲駅伝は10月9日、島根・出雲大社正面鳥居前をスタート、出雲ドームをフィニッシュとする6区間45.1kmのコースで行われる。13時05分にスタート。フジテレビ系列で13時から生中継される。

文・写真/和田悟志

◇第35回出雲駅伝(10月9日/6区間45.1km:島根・出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドームフィニッシュ) 学生三大駅伝の開幕戦となる出雲駅伝は10月9日(月・祝)に号砲が鳴る。前日に控えた今日(8日)、現地で前日会見が行われ、駒大、中大、青学大、國學院大、順大、早大、アイビーリーグ選抜の7チームの監督が出席しインタビューに応えた。 昨年度、出雲駅伝優勝を足掛かりに学生駅伝三冠を成し遂げた駒大。今季より指揮をとる藤田敦史監督は、「今回も優勝を意識してチーム作りを進めてきた」と言うが、「今回はチャレンジャーとして出雲に来ています」。“王者”としてではなく、“挑戦者”を強調し、駅伝初陣に臨む。 「昨年度三冠を達成したチームとしてプライドを持ちつつ、昨年度の最強チームに対する挑戦をテーマに掲げて強化に当たってまいりました」と言うように、あえて2年連続三冠という言葉を口にするのを避けて、選手たちの精神的負担を軽くした。 今大会は夏合宿前に仙骨を疲労骨折していた花尾恭輔(4年)と10000m27分台を持つ唐澤拓海(4年)がメンバーから外れたが、2区・佐藤圭汰(2年)と6区・鈴木芽吹(4年)は前回と同じオーダー。さらに、1区には、前回不出場の篠原倖太朗(3年)が入り、序盤から攻めのレースを見せそうだ。 その中で、藤田監督がキーマンに挙げるのが鈴木だ。「昨年度は田澤(廉、トヨタ自動車)という絶対的なエースがいたが、今年度は鈴木がどこまで田澤に近づけるか、どこまで精神的なチームの支柱となれるかがポイントとなる」。鈴木は「30秒まで」のビハインドなら跳ね返す力がある。主将として2年連続で優勝のフィニッシュテープを切ることができるのか。 駒大はこれまでに学生三大駅伝で通算27回の優勝を誇るが、意外にも出雲駅伝での優勝は4回だけ。そのうち2回は藤田監督が選手時代に成し遂げたものだ。監督として優勝を積み上げて、「過去最強」の更新を狙う。 駒大に対抗心を燃やすのが中大の藤原正和駅伝監督だ。「駒澤さんを非常に意識したオーダーを組んだ。佐藤圭汰君がおそらく2区に行くだろうということで、中野(翔太、4年)をぶつけて、なんとか競り勝ちたい」と真っ向勝負に挑む。 「昨年の3位以上はもちろん、てっぺんをとれるように、ここまでやってきた」と、頂点をも見据える。10月1日に世界ロードランニングに出場した吉居大和(4年)は補員に回ったものの、当日変更の可能性もある。強力なオーダーとなり、「4区、5区が追い風になりそうなので、そこでしっかりとアドバンテージを得て、アンカーの湯浅(仁、4年)に託して、トップで出雲ドームに帰ってきたい」と藤原監督は自信をのぞかせる。 5年ぶり5回目の優勝を目標に掲げるのが青学大。原晋監督は「非常に暑い夏合宿だったが、順調に練習を消化し、故障率が非常に少なかった」と話すように、充実した夏になった様子だ。キーマンに挙げるのは、1区・野村昭夢(3年)、6区・鶴川正也(3年)。力がありながらも今回が三大駅伝デビュー戦となる2人が、チームの命運を握る。 前回準優勝の國學院大も、「4年ぶりのてっぺんを目指しながら戦っていきたい」と前田康弘監督が言うように、4年ぶりの優勝を見据える。3区・伊地知賢造(4年)、4区・山本歩夢(2年)、6区・平林清澄(2年)の3本柱がしっかりしているだけに、前田監督がキーマンに挙げる1区・上原琉翔(2年)、2区・青木瑠郁(2年)で上位につけることができれば、グッと頂点が近づくだろう。 順大は昨年度までの主力の多くが卒業しただけに、「初めての選手が多いので、チャレンジングな気持ちで戦いたい」と長門俊介駅伝監督は言う。キーマンは、1区にエントリーされたルーキーの吉岡大翔。「学生は3位以内を目標に掲げるが、一つでも上の順位を目指したい」と長門監督が言うように、吉岡の走りで勢いづけるかが、チームの浮沈の鍵となりそうだ。なお、ブダペスト世界選手権3000m障害入賞の三浦龍司(4年)は補員に登録されている。 早大の花田勝彦駅伝監督は、指揮官として初めての出雲駅伝となる。最上級生も好調というが、「将来的に優勝を目指そうというチーム」というように、1~3年生でオーダーを組んだ。特に3区までは、伊藤大志(3年)、山口智規(2年)、石塚陽士(3年)と序盤にエース格を並べた。「(同席している5大学から)まずは1強でも崩して、トップ5に入りたい」と、2年ぶりの出雲路で上位進出を狙う。 アイビーリーグ選抜は4年ぶりの出場。主力に故障者が出て、想定したオーダーを組めなかったが、「過去最高順位の8位以内を目指したい」とジョン・フルツ監督は意気込みを語った。 第35回出雲駅伝は10月9日、島根・出雲大社正面鳥居前をスタート、出雲ドームをフィニッシュとする6区間45.1kmのコースで行われる。13時05分にスタート。フジテレビ系列で13時から生中継される。 文・写真/和田悟志

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