競技会でアスリートが使用できるシューズについて世界陸連がルールを変更しているのを受け、日本陸連は9月9日にメディア向けブリーフィングを開催。世界陸連が「移行期間」としている11月30日までは、世界陸連が7月28日に発表した新ルール(800m以上のトラック種目ではソールの厚さが上限25mmなど)に抵触する『規定外シューズ』であっても、日本国内での扱いは公認記録とすることを改めて示した。
さらに、今年1月に世界陸連が発表した「レースで使用するシューズは4ヵ月前までに市販されていること」という規定は今回の改訂により撤廃。医学的な理由がない場合は認められなかったシューズのカスタマイズも、「事前に世界陸連の認可が下りれば使用可能」と、ルールに柔軟性が生まれたことも明かされた。
ロードレースを中心に多くの選手が履いていた『厚底シューズ』は、12月以降はトラックで使用できなくなる
世界陸連は移行期間中の競技会では新ルールを適用するかどうかを大会主催者の判断に任せ、適用しない場合は『規定外シューズ』を履いてレースに出場した選手を「Uncertified(非公認)」扱いにしている。
一方、日本陸連は全国大会である日本選手権、全国高校大会、全国中学生大会では新ルールを適用することを決定。ただし、その他の競技会で適用するかは主催者の判断とし、新ルールを適用しなかった競技会で規定外シューズを履いて出された記録は日本国内では公認記録として認めている。これは11月末までは東京五輪の参加標準記録を突破しても期間外となり、世界陸連のワールドランキングも凍結されていることを考慮したためだ。
このため、もし規定外シューズを履いて世界記録を上回るタイムを出した場合は「日本記録ではあるが、世界記録としては認められない」ということになる。
また、世界陸連は新ルール下で承認したシューズのリストをウェブサイトで公開しているが、インソールの加工などを防ぐために、承認済みのシューズであっても競技会ごとにソールの厚さを確認するように求めているという。
12月以降は規定外シューズがレースで使用できなくなり、新ルールに移行する見込みだが、新ルールを検討したワーキンググループは今もなお存続。新ルールについては世界陸連に対して世界各地から問い合わせがある状況で、今後も引き続き注視する必要がありそうだ。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
Latest articles 最新の記事
2025.04.01
クイーンズ駅伝Vの日本郵政Gに名城大主将の谷本七星、小暮真緒が加入
JP日本郵政グループは4月1日付で谷本七星と小暮真緒の加入を発表した。 谷本は広島県出身。国泰寺中時代に1500mで全中に出場するなど活躍し、舟入高では1年時には4×400mリレーでインターハイに出場した。3年時の全国高 […]
2025.04.01
NDソフトに中大の東海林宏一が加入!「目標はニューイヤー駅伝1区区間賞」
4月1日、NDソフトは自社のSNSで、中大の東海林宏一が加入したことを発表した。 東海林は山形県出身。山形南高時代には県高校駅伝1区区間賞や、5000mで自己記録となる14分01秒97などをマーク。中大入学後は怪我の影響 […]
2025.04.01
東洋大長距離部門新主将に網本佳悟! 新スローガンも決定 「その1秒をけずりだす走りを体現します」
東洋大男子長距離部門はチームの公式HPで、2025年度の学生スタッフ6人とスローガンを発表した。 自身初となる箱根駅伝で8区2位と好走し、チームの20年連続となるシード権獲得に貢献した網本佳悟(4年)が新主将に就いた。長 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報