8月19日から27日の日程で行われているブダペスト世界選手権、最終日の午後セッションは日本代表の出場種目はなし。早朝に実施された男子マラソンですべての種目を終えた。
日本はメダル2個を含む、入賞11。入賞の数は2013年モスクワ、22年オレゴンの9を上回る過去最高の成績となる。出発前に日本陸連の山崎一彦強化委員長が「史上最強メンバー」と称していたが、それを物語る結果をなった。
金メダルは女子やり投の北口榛花(JAL)。五輪・世界選手権においてマラソンを除く女子初の金メダル獲得だった。男子35km競歩では川野将虎(旭化成)が銅メダルを手にした。北口、川野ともに前回(銅、銀)に続く表彰台。北口は日本陸連が定めるパリ五輪代表選考基準を満たしてパリ五輪代表に内定し、ディフェンディング・チャンピオンに与えられるワイルドカードで25年東京世界選手権の出場資格も得た。
男子100mではサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が前回オレゴンの7位に続き6位入賞の快挙。そのサニブラウンが4走を務め、坂井隆一郎(大阪ガス)、栁田大輝(東洋大)、小池祐貴(住友電工)とつないだ4×100mリレーも2大会ぶりに決勝に進んで5位に入った。
こちらも快挙だったのが男子110mハードルの泉谷駿介(住友電工)。ダイヤモンドリーグ(DL)優勝の勢いそのままに日本勢初の決勝に進むと、脚をつりながら走って5位に食い込んだ。男子3000m障害の三浦龍司(順大)は東京五輪(7位)に続く6位入賞。いずれもDLでも活躍しているように海外トップ選手であることを証明した。いずれも日本勢初の入賞となる。
男子のフィールド種目では走高跳の赤松諒一(アワーズ)が8位タイ。前回の真野友博(九電工)に続いて日本勢連続入賞となった。
女子のトラックでは第一人者の2人が魅せた。大会初日の10000mで廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が7位に入って今大会の日本初入賞。同種目での入賞の13年モスクワの新谷仁美以来5大会ぶり。東京五輪(7位)に続く入賞で、両大会入賞は千葉真子(96年アトランタ五輪5位/97年アテネ世界選手権銅メダル)に次いで2人目だった。
8日目の5000mでは田中希実(New Balance)が8位。この種目では97年アテネの弘山晴美(8位)以来、26年ぶりの入賞だった。
複数メダル・入賞が期待されていた競歩陣。男子20km競歩ではメダル・入賞を逃す苦しい結果となったが、川野が銅メダルを手にしたほか、35km競歩は男子で野田明宏(自衛隊体育学校)が6位、女子は園田世玲奈(NTN)が7位と健闘した。
日本新記録は2つ。男子400mの予選で佐藤拳太郎(富士通)が44秒77をマーク。髙野進の日本記録を32年ぶりに0.01秒塗り替えた。また、佐藤風雅(ミズノ)も予選で44秒97、準決勝で44秒88と日本人3人目の44秒台をマークしている。女子5000mの田中は予選で14分37秒98の日本新。これまでの記録(14分52秒84/廣中)を15秒近くも更新している。
今大会で新たにサニブラウン、佐藤拳、佐藤風、400mハードルの黒川和樹(法大)、田中(5000m)の5人がパリ五輪の参加標準記録を突破。来年のパリ五輪、そして25年東京世界選手権に向けて弾みをつける結果となった。
ブダペスト世界陸上 日本代表入賞一覧
●男子 100m 6位 サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ) 110mH 5位 泉谷駿介(住友電工) 3000m障害 6位 三浦龍司(順大) 4×100mR 5位 日本(坂井、栁田、小池、サニブラウン) 走高跳 8位タイ 赤松諒一(アワーズ) 35km競歩 3位 川野将虎(旭化成) 6位 野田明宏(自衛隊体育学校) ●女子 5000m 8位 田中希実(New Balance) 10000m 7位 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 35km競歩 7位 園田世玲奈(NTN) やり投 優勝 北口榛花(JAL)
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.28
-
2025.03.28
-
2025.03.28
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.28
【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ
今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]
2025.03.28
【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]
2025.03.28
3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定
大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]
2025.03.28
資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」
旭化成は3月28日、所属選手である競歩の池田向希が受けたアンチ・ドーピング規則違反による4年間の資格停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行ったと発表した。 男子20km競歩で東京五輪銀メダリスト […]
2025.03.28
【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー
3月28日、東京都多摩市の国士大多摩陸上競技場で第7回国士大競技会が行われ、高校用規格の男子円盤投(1.75kg)において福宮佳潤(東京高1)が50m73をマークした。この記録は高校1年生の歴代ランキングで2位。高1で史 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報