2023.08.17
8月19日から始まるブダペスト世界陸上のみどころをチェック! ここでは男子のトラック種目を紹介する。
陸上競技の花形、100m予選が初日の午後セッションで行われる。日本からはサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)、日本選手権覇者の坂井隆一郎(大阪ガス)、20歳の栁田大輝(東洋大)が出場。なかでも5大会連続出場となるサニブラウンには2大会連続の決勝進出に期待がかかる。
当時城西高2年の16歳だった2015年北京大会は、200mで大会史上最年少の準決勝進出。17年ロンドン大会は200mで7位入賞、前回は100mで日本人初のファイナリストとなった。
今年の春先は調子が上がらず、日本選手権は脚のケイレンもあって8位。しかし、7月20日のスイス・ルツェルンで10秒09(+0.3)のシーズンベストと復調気配を見せている。
オレゴンに続いて2大会連続出場となる坂井は、日本選手権前に痛めた左アキレス腱の状態が気になるところ。日本選手権後は回復に努め、その影響で7月中旬のアジア選手権は6位に終わったものの、徐々に痛みは薄れているという。前回は準決勝進出。今年はさらに上の舞台を目指す。
栁田は日本選手権で坂井に敗れたものの、アジア選手権を自己新の10秒02(± 0)で制して勢いに乗る。中学(走幅跳)、高校と各年代で日本一に輝いた勝負強さが持ち味。まずは準決勝まで進み、9秒台を出してファイナルへと進めるか。
大会5日目(23日)の200m予選には日本選手権、アジア選手権と立て続けに制して上り調子の鵜澤飛羽(筑波大)、前回ゼミファイナリストの上山紘輝(住友電工)、5回目の出場となる32歳・飯塚翔太(ミズノ)が登場する。
シーズンベストが最も良い記録なのは鵜澤の20秒23。前回大会は20秒10でも準決勝敗退というハイレベルだったが、ファイナル進出のためには確実に予選を突破し、準決勝で自己記録を更新する走りが求められる。
日本勢によるこの種目の決勝進出は2003年の末續慎吾(銅メダル)のみ。20年ぶりの快挙達成なるか。
ここまで名前の挙がった選手に小池祐貴(住友電工)を加えた4×100mリレーには、17年、19年に続くメダル獲得の期待がかかる。
21年東京五輪(決勝途中棄権)、22年オレゴン世界選手権(予選失格)と至近2年はバトンミスによる悔しい結果に終わったが、7月23日のダイヤモンドリーグ(以下、DL)ロンドン大会で今季世界最高タイ、日本歴代5位となる37秒80をマークして優勝。坂井、栁田、小池、上山とつないで日本のお家芸復活をアピールした。
19年銅メダルメンバーのサニブラウンもおり、「チームジャパン」で2大会ぶりのメダル獲得を目指す。
前回大会で4位とメダルに迫った4×400mリレーにも注目だ。
今年7月に400mで日本歴代4位の45秒12を出した日本選手権覇者の中島佑気ジョセフ(東洋大)、アジア選手権400mにて同歴代2位となる45秒00で金メダルを獲得した佐藤拳太郎(富士通)、同歴代5位タイの45秒13で銀メダルの佐藤風雅(ミズノ)が軸となる。
残る1人はアジア選手権代表の今泉堅貴(筑波大)、日本選手権5位の地主直央(法大)が候補となり、史上最高のメンバーで悲願の表彰台を目指す。
個人種目の400mでは上記の中島、ダブル佐藤が出場する。1991年東京大会の髙野進以来のファイナル、そして髙野以来誰も達成していない44秒台突入なるか。
110mハードルでは日本記録保持者の泉谷駿介(住友電工)に注目が集まる。今季は日本選手権で13秒04と自身の持つ日本記録を0.02秒更新すると、6月末のDLローザンヌでは13秒22(-1.0)で初出場・日本男子初優勝の快挙を達成。さらに7月のDLロンドンでは13秒06(+1.3)で2位に食い込んだ。
前回大会は準決勝で敗退となったが、今回は堂々のメダル候補として挑む。まずは確実に決勝進出を決め、決勝では世界の強豪相手に勝負を挑む。
同種目では日本歴代2位の13秒10を持つ高山峻野(ゼンリン)、初出場となる横地大雅(Team SSP)も出場する。高山は過去2度はね返された準決勝突破、横地は予選通過がターゲットとなりそうだ。
3000m障害では2年前の東京五輪で7位入賞した三浦龍司(順大)が再び決勝の舞台を狙う。
今年はDLパリ大会で自身の日本記録を2年ぶりに0.01秒更新する8分09秒91で2位。世界の強豪相手に互角の勝負を展開した。
昨年のオレゴン大会は惜しくも予選敗退。「世界選手権では絶対に決勝へ行きたい」と意気込んでおり、上位争い、そしてメダル争いに加わるつもりだ。
同種目には2大会連続の青木涼真(Honda)と初出場となる砂田晟弥(プレス工業)も出場する。
長距離種目には5000mに塩尻和也(富士通)と遠藤日向(住友電工)、10000mに田澤廉(トヨタ自動車)がエントリー。両種目とも過去に日本人が入賞したことはなく、5000mは予選突破、田澤は大会日本人最高の10位がターゲットとなるだろう。
400mハードルでは黒川和樹(法大)と児玉悠作(ノジマ)が世界に挑戦する。自己記録は黒川が48秒68、児玉が48秒77で、決勝進出のためには自己記録更新が必須だ。
世界の超人たちが集う世界陸上は、8月19日から27日までの9日間、“東欧のパリ”と称される美しき街・ブダペストを舞台に行われる。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会