HOME 国内、世界陸上、日本代表
やり投・ディーン元気「限界を作らず思いきって」残り3週間で仕上げに入る
やり投・ディーン元気「限界を作らず思いきって」残り3週間で仕上げに入る

拠点とするフィンランドからオンライン会見に臨んだディーン元気

ミズノトラッククラブは8月7日、オンライン会見を開き、ブダペスト世界選手権の代表に決まった男子やり投のディーン元気と男子400mの佐藤風雅が登壇して意気込みを語った。

2大会連続2度目の世界選手権となるディーンは、拠点とするフィンランドから参加。「今年も無事に参加できてうれしく思います」と代表入りした喜びを語る。

2012年ロンドン五輪から、脇腹のケガで長期離脱などを経て、10年ぶりの世界大会となった昨年のオレゴン世界選手権。そこでは決勝に進んだもののロンドン五輪と同じ9位で、あと一歩入賞に届かなかった。

そこでは「決めに行こうとした時にやりが身体から離れて右に抜けてしまう」という課題が明確に。それと向き合い続けてきた1年間だった。

「基礎はこれまでで一番行っていて一か作ってきた」。基礎練習から「やり先がズレないようにして真ん中に投げる」ことを徹底し、それを「下半身を動かしてスピード出してもズレないか」。その成果として、「アベレージは高くなって、狙った試合で記録が出せている」と言う。

今季は4試合で82mオーバー。優勝した7月のアジア選手権では自己4番目となる83m15を放った。それでも、「もう一段階スピードを出した時に惜しい跳躍だった」と、まだまだ改善の途中。「ここから3週間で技術練習に入って、出力のある状態で、思いっきり走った状態でズレないように自信をつけていく」構えだ。

広告の下にコンテンツが続きます

東京五輪イヤーも含め、「参加標準記録」「日本記録」と、記録へのこだわりを常に公言してきたディーン。もちろん、目標に掲げつつも、「数字を意識すると、そこまでになってしまう」。それよりも、世界の舞台で「思いきった投げをしたい」という思いが強い。それができれば、日本記録(87m60)にも入賞・メダルにも届くと信じている。

「予選も決勝も、できれば2回目までにしっかり決められるように。落ち着いて自分の試合をしていきます。ピーキングをして、昨年衣所に思いきった試合ができるように」。イケイケだった二十歳の頃の自分を振り返りつつ「限界を作らず、数字を意識せずにやりたい技術ができた結果、どこまで飛んでいくかわからないという投げをしたいです」と語る。

大学時代から指導する田内健二コーチ(中京大)は「若い頃から限界を作らないといっていて、10年経っても同じことを言える精神力。つらい時期もやる気のの炎を消さずに頑張ってきた。常人だったらあきらめていたと思いますが、なかなかまねできるものではありません」と、技術以上にその人間力に舌を巻く。

31歳になったディーン。自身3度目の世界大会で、会心の投げを見せるつもりだ。

ミズノトラッククラブは8月7日、オンライン会見を開き、ブダペスト世界選手権の代表に決まった男子やり投のディーン元気と男子400mの佐藤風雅が登壇して意気込みを語った。 2大会連続2度目の世界選手権となるディーンは、拠点とするフィンランドから参加。「今年も無事に参加できてうれしく思います」と代表入りした喜びを語る。 2012年ロンドン五輪から、脇腹のケガで長期離脱などを経て、10年ぶりの世界大会となった昨年のオレゴン世界選手権。そこでは決勝に進んだもののロンドン五輪と同じ9位で、あと一歩入賞に届かなかった。 そこでは「決めに行こうとした時にやりが身体から離れて右に抜けてしまう」という課題が明確に。それと向き合い続けてきた1年間だった。 「基礎はこれまでで一番行っていて一か作ってきた」。基礎練習から「やり先がズレないようにして真ん中に投げる」ことを徹底し、それを「下半身を動かしてスピード出してもズレないか」。その成果として、「アベレージは高くなって、狙った試合で記録が出せている」と言う。 今季は4試合で82mオーバー。優勝した7月のアジア選手権では自己4番目となる83m15を放った。それでも、「もう一段階スピードを出した時に惜しい跳躍だった」と、まだまだ改善の途中。「ここから3週間で技術練習に入って、出力のある状態で、思いっきり走った状態でズレないように自信をつけていく」構えだ。 東京五輪イヤーも含め、「参加標準記録」「日本記録」と、記録へのこだわりを常に公言してきたディーン。もちろん、目標に掲げつつも、「数字を意識すると、そこまでになってしまう」。それよりも、世界の舞台で「思いきった投げをしたい」という思いが強い。それができれば、日本記録(87m60)にも入賞・メダルにも届くと信じている。 「予選も決勝も、できれば2回目までにしっかり決められるように。落ち着いて自分の試合をしていきます。ピーキングをして、昨年衣所に思いきった試合ができるように」。イケイケだった二十歳の頃の自分を振り返りつつ「限界を作らず、数字を意識せずにやりたい技術ができた結果、どこまで飛んでいくかわからないという投げをしたいです」と語る。 大学時代から指導する田内健二コーチ(中京大)は「若い頃から限界を作らないといっていて、10年経っても同じことを言える精神力。つらい時期もやる気のの炎を消さずに頑張ってきた。常人だったらあきらめていたと思いますが、なかなかまねできるものではありません」と、技術以上にその人間力に舌を巻く。 31歳になったディーン。自身3度目の世界大会で、会心の投げを見せるつもりだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.31

SUBARUの真船恭輔が現役引退「本当に楽しい陸上人生」小山司、小林光二コーチも社業に専念

SUBARUは3月31日付で引退選手と退部者を発表した。 真船恭輔、小山司の2名が現役を引退する。真船は1997年生まれの27歳。学法石川高(福島)時代には2年連続で全国高校駅伝に出場。相澤晃(旭化成)、阿部弘輝(住友電 […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】―91年東京―国立競技場がルイスに熱狂!マラソン谷口が殊勲の金メダル

2025.03.31

【世界陸上プレイバック】―91年東京―国立競技場がルイスに熱狂!マラソン谷口が殊勲の金メダル

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]

NEWS 京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走

2025.03.31

京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走

京セラの白井明衣が、3月23日に行われた鹿児島県実業団陸上競技記録会の女子3000mに出場。このレースをもって競技生活を引退することが公式Instagramで伝えられた。 白井は山口・中村女高を卒業後、2020年より京セ […]

NEWS NDソフト ニューイヤー駅伝出場の大倉秀太とケニアと2拠点活動の鈴木太基が退部

2025.03.31

NDソフト ニューイヤー駅伝出場の大倉秀太とケニアと2拠点活動の鈴木太基が退部

NDソフトは2024年度で大倉秀太、鈴木太基の2選手が退部すると発表した。 鈴木は愛知・豊川工高を経て大東大に進学。4年時には全日本大学駅伝で7区4位、箱根駅伝7区9位と3大駅伝に出走している。卒業後はラフィネで活動し、 […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第55回「努力でコンパスを大きくする~マラソン強化のDNAを引き継ぐ~」

2025.03.31

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第55回「努力でコンパスを大きくする~マラソン強化のDNAを引き継ぐ~」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第55回「努力でコンパスを大きくする~マラソン強化のDNAを引き継ぐ~」 彼はゴール後のインタ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top