2023.06.19
◇インターハイ東海地区大会(6月16日~18日/静岡・小笠山総合運動公園 静岡スタジアムエコパ)最終日
夏の北海道インターハイを懸けた東海地区大会の最終日が行われ、女子200mでは高校歴代3位の23秒52を持つ小針陽葉(富士市立2静岡)が23秒92(+0.2)で優勝した。
小針は初日の走幅跳を今季高校最高となる6m18(+1.0)で、11秒65のベストを持つ2日目の100mは11秒75(+0.1)で制しており、個人3冠を達成。また、アンカーを務めた4×100mリレーでもチーム新記録の46秒62で4位に食い込んだ。
フル稼働だった3日間の戦いを終えた小針は、「県大会の時よりは疲労感がすごくて……。でも、リレーで全国に行けたし、個人も3種目で優勝できたので良かったです」と、充実の表情を浮かべた。
昨年のインターハイでは、1年生ながら100mと200mでともに2位。昨夏から本格的に取り組んできた走幅跳は6m19の自己記録を持ち、今大会は3種目で優勝候補に挙がっていた。それでも、「自分が期待されているとか、記録を出さないといけないとか思っていなかったので、そこまでプレッシャーを感じませんでした。いつも通りの試合だったなと思います」と、心理的な悪影響を及ぼすことはなかった。
100mも200mも、予選、準決勝とすべて全体のトップタイムで通過し、決勝レースも危なげなかった。強者が勝つべくして勝ったように見えた内容だったが、小針の口からは反省の弁ばかりが目立った。
「100mは水分補給不足で少し熱中症気味という状態でした。万全なら11秒5台を狙えたので少し悔しいです。200mも予選(24秒25/±0)は良かったですが、準決勝は暑さにやられて思うようにタイムが出ず、決勝はがむしゃらに行った感じ。まだまだ改善の余地があります」
そんななか、今大会では4×100mリレーが「一番うれしかった」と振り返る。「3年生が最後ですし、3走の同級生も脚が痛くて、個人種目をやめてリレーに賭けてくれていて、みんなで『全国に行きたいね』と話していました」。
走幅跳の1本目で優勝記録となる大ジャンプを見せた後、あと1cmに迫った自己記録や6m23の大会記録更新には目もくれず、2本目以降の試技をすべてパスした。それも(リレーがある)翌日のためにエネルギーを残しておく」ことが目的だった。そうした思いの強さは、リレーの決勝レース直後だけ、うれしさのあまり大号泣した小針の姿からも伺えた。
自身2度目のインターハイに向けては、「100mは11秒4台、200mは高校記録(23秒45)更新を狙って、走幅跳は6m30ぐらいは行けそうなので、どれも優勝できるように頑張りたい。4継はチームベストが出たらいいなと思っています」と、それぞれの目標を掲げる。
全国では1970年の石野ますよ(鹿児島女・鹿児島)しか達成していない100m、20mm、走幅跳3冠へ。大きなポテンシャルを秘めた2年生がこの夏、北海道の地で偉業にチャレンジする。
文/小野哲史 撮影/樋口俊秀
インターハイ東海地区大会の優勝者一覧をチェック!
●男子 100m 土屋太陽(富士見2静岡) 10秒54(-0.1) 200m 成川倭士(東海大翔洋2静岡) 20秒87(+0.5)=大会新 400m 植田壮太(富士東3静岡) 47秒29 800m 宮下颯汰(中京大中京2愛知) 1分51秒82 1500m 田中智稀(名経大高蔵2愛知)3分54秒69 5000m 安島莉玖(大垣日大3岐阜) 15分07秒31 110mH 宮本皓寿(浜松市立3静岡) 14秒08(+0.1)=大会新 400mH 下田隼人(豊川3愛知) 51秒29 3000m障害 鈴木陸覇(名経大高蔵3愛知) 8分57秒22 5000m競歩 渡邊優斗(伊豆中央3静岡) 22分28秒68 4×100mR 東海大翔洋(静岡) 40秒28 4×400mR 皇學館(三重) 3分13秒01 走高跳 加古彩人(中京大中京3愛知) 2m01 棒高跳 鈴木健心(浜松商2静岡) 4m70 走幅跳 成川倭士(東海大翔洋2静岡)7m50(-1.4) 三段跳 山城海来(浜松北3静岡) 14m63(+2.0) 砲丸投 柳 勇次(誠信3愛知) 15m99 円盤投 松田流輝(市岐阜商3岐阜) 46m49 ハンマー投 市原想太(愛西工科3愛知) 57m60 やり投 松月秀斗(伊勢学園2三重) 63m45 八種競技 岡崎 煌(近大高専3三重) 5327点 ●女子 100m 小針陽葉(富士市立2静岡) 11秒75(+0.1) 200m 小針陽葉(富士市立2静岡) 23秒92(+0.2) 400m 平野里歩(中京大中京3愛知)55秒36 800m 森 千莉(豊田大谷3愛知) 2分08秒85 1500m 松本未空(鈴鹿3三重) 4分24秒58 3000m 秋竹凛音(豊川2愛知) 9分24秒59 100mH 林美希(中京大中京3愛知) 13秒51(-0.7)=大会新 400mH 片山心菜(中京大中京3愛知) 60秒77 5000m競歩 寺本瑛美(旭丘2愛知) 24分21秒30 4×100mR 至学館(愛知) 46秒53 4×400mR 中京大中京(愛知) 3分47秒03 走高跳 加藤那奈美(浜松聖星2静岡) 1m73 棒高跳 佐々木麦乃(伊勢3三重) 3m40 走幅跳 小針陽葉(富士市立2静岡) 6m18(+1.0) 三段跳 山田亜胡(田方農3静岡) 11m99(+0.4) 砲丸投 世古櫻紗(松阪商2三重) 13m36 円盤投 世古櫻紗(松阪商2三重) 38m41 ハンマー投 大陽和(伊勢工3三重) 53m24=大会新 やり投 曽野 雅(松阪商3三重) 50m30 七種競技 林 美希(中京大中京3愛知) 5113点=大会新
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会