HOME 高校

2023.06.17

走幅跳・成川倭士が向かい風で7m50の今季高校最高タイ! 全国入賞目標も「まずは楽しめれば」/IH東海
走幅跳・成川倭士が向かい風で7m50の今季高校最高タイ! 全国入賞目標も「まずは楽しめれば」/IH東海

向かい風のなか、7m50で東海地区大会男子走幅跳を制した成川倭士

◇インターハイ東海地区大会(6月16日~18日/静岡・エコパスタジアム)1日目

夏の北海道インターハイを懸けた東海地区大会の1日目が行われ、男子走幅跳は2回目に今季高校トップタイの7m50(-1.4)を跳んだ成川倭士(東海大翔洋2静岡)が優勝。ともに7m33を跳んだ奥澤真(浜松西2静岡)と平林駿登(安城東2愛知)がそれぞれ2位と3位を2年生が上位を占めた。

成川の自己記録は県大会でマークした7m26。今大会は7m40台を持つ森部諒(名城大附3愛知)や奥澤を追いかける立場で臨んだが、「最近は走幅跳で全然うまく行っていなかった」と明かす。

その要因は、「脚が速くなって助走に生かすことが難しくなっていた」ことにある。実際、今季は100mで10秒41、200mはインターハイ都府県大会最高の21秒03(-0.2)をマークするなど、スプリントの向上が目覚ましかった。「ストライドが伸びて筋肉もついた」ことがパフォーマンスの向上につながっているという。

助走のスピードアップに対応すべく、この日は助走を大きく変更。「今までの助走から4歩、12mぐらい短くして、最初からスピードを上げていくという感じでした。(ファウルとなった)1本目もよく跳べたのですが、踏み切りの1歩前でブレーキをかけ過ぎて、上に跳ぶだけになってしまった」と話し、さらに修正した2回目でビッグジャンプを見せた。

3回目をパスした後も、他の選手たちが7m10~30台にとどまるなか、4回目に7m42(-0.1)、6回目に7m31(+0.7)と好記録を続け、7m50の跳躍で手応えをつかんだ様子。実は「2週間前のU20日本選手権後にふくらはぎを痛めた」というが、それを感じさせない充実ぶりだった。

今大会ではまだ200mと4×100mリレーを残すが、インターハイでの走幅跳は、「今年はできれば入賞を目指したいですが、まずは楽しめればいい」と良い意味で力んでいない。それでも、強力なライバルがひしめく静岡県大会と東海大会を制したことで、成川は全国の舞台でも優勝候補の1人に名乗りを上げた。

全国インターハイは8月2日から6日に北海道・厚別公園競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
文/小野哲史
写真/樋口俊秀

◇インターハイ東海地区大会(6月16日~18日/静岡・エコパスタジアム)1日目 夏の北海道インターハイを懸けた東海地区大会の1日目が行われ、男子走幅跳は2回目に今季高校トップタイの7m50(-1.4)を跳んだ成川倭士(東海大翔洋2静岡)が優勝。ともに7m33を跳んだ奥澤真(浜松西2静岡)と平林駿登(安城東2愛知)がそれぞれ2位と3位を2年生が上位を占めた。 成川の自己記録は県大会でマークした7m26。今大会は7m40台を持つ森部諒(名城大附3愛知)や奥澤を追いかける立場で臨んだが、「最近は走幅跳で全然うまく行っていなかった」と明かす。 その要因は、「脚が速くなって助走に生かすことが難しくなっていた」ことにある。実際、今季は100mで10秒41、200mはインターハイ都府県大会最高の21秒03(-0.2)をマークするなど、スプリントの向上が目覚ましかった。「ストライドが伸びて筋肉もついた」ことがパフォーマンスの向上につながっているという。 助走のスピードアップに対応すべく、この日は助走を大きく変更。「今までの助走から4歩、12mぐらい短くして、最初からスピードを上げていくという感じでした。(ファウルとなった)1本目もよく跳べたのですが、踏み切りの1歩前でブレーキをかけ過ぎて、上に跳ぶだけになってしまった」と話し、さらに修正した2回目でビッグジャンプを見せた。 3回目をパスした後も、他の選手たちが7m10~30台にとどまるなか、4回目に7m42(-0.1)、6回目に7m31(+0.7)と好記録を続け、7m50の跳躍で手応えをつかんだ様子。実は「2週間前のU20日本選手権後にふくらはぎを痛めた」というが、それを感じさせない充実ぶりだった。 今大会ではまだ200mと4×100mリレーを残すが、インターハイでの走幅跳は、「今年はできれば入賞を目指したいですが、まずは楽しめればいい」と良い意味で力んでいない。それでも、強力なライバルがひしめく静岡県大会と東海大会を制したことで、成川は全国の舞台でも優勝候補の1人に名乗りを上げた。 全国インターハイは8月2日から6日に北海道・厚別公園競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。 文/小野哲史 写真/樋口俊秀

インターハイ東海地区大会1日目の優勝者

●男子 400m    植田壮太(富士東3静岡)  47秒29 1500m    田中智稀(名経大高蔵2愛知)3分54秒69 110mH    宮本皓寿(浜松市立3静岡) 14秒08(+0.1)=大会新 走幅跳   成川倭士(東海大翔洋2静岡)7m50(-1.4) ハンマー投 市原想太(愛西工科3愛知) 57m60 ●女子 400m    平野里歩(中京大中京3愛知)55秒36 1500m    松本未空(鈴鹿3三重)   4分24秒58 100mH    林美希(中京大中京3愛知) 13秒51(-0.7)=大会新 走幅跳   小針陽葉(富士市立2静岡) 6m18(+1.0) 棒高跳   佐々木麦乃(伊勢3三重)  3m40 砲丸投   世古櫻紗(松阪商2三重)  13m36 ハンマー投 大陽和(伊勢工3三重)   53m24=大会新

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.07

順大・澤木啓祐氏が名誉総監督を退任 本人の申し出を受け

9月6日、順天堂大学スポーツ健康科学部はホームページに「順天堂大学陸上競技部に関する報道について」と題したリリースを公開。同大学陸上部名誉総監督の澤木啓祐氏が退任することが発表された。 この件は、一部報道で同大学陸上部指 […]

NEWS ヤマダホールディングスが10月のプリンセス駅伝欠場を発表

2024.09.06

ヤマダホールディングスが10月のプリンセス駅伝欠場を発表

9月6日、ヤマダホールディングスは10月20日に開催予定の第10回全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝予選会(プリンセス駅伝)を欠場することを発表した。 チームは11月の全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝(クイーンズ駅伝)での上位入賞を目標に […]

NEWS チェベトが女子5000mで14分09秒52 男子1500mはヌグセがインゲブリグトセンを抑える/DLチューリヒ

2024.09.06

チェベトが女子5000mで14分09秒52 男子1500mはヌグセがインゲブリグトセンを抑える/DLチューリヒ

9月5日、ダイヤモンドリーグ(DL)第13戦のヴェルトクラッセ・チューリッヒがスイス・チューリヒで開催され、女子5000mでは、パリ五輪金メダルのB.チェベト(ケニア)が今季世界最高、パフォーマンス世界歴代7位の14分0 […]

NEWS 田中希実25歳初レース5000m14分49秒95で東京世界陸上の標準突破!!やり投・ディーン3位で初ファイナルへ/DLチューリヒ

2024.09.06

田中希実25歳初レース5000m14分49秒95で東京世界陸上の標準突破!!やり投・ディーン3位で初ファイナルへ/DLチューリヒ

世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)シリーズ最終戦となる第14戦・チューリヒ大会(スイス)が9月6日に行われ、女子5000mの田中希実(New Balance)が14分49秒95で7位に入った。この記録で、来年の東京世 […]

NEWS 女子マラソン・ウガンダ代表のチェプテゲイが死去 五輪から1ヵ月経たぬうちの惨劇に悲しみ広がる

2024.09.05

女子マラソン・ウガンダ代表のチェプテゲイが死去 五輪から1ヵ月経たぬうちの惨劇に悲しみ広がる

ウガンダのオリンピック委員会(UOC)は9月4日、パリ五輪女子マラソン代表のレベッカ・チェプテゲイが死去したことを発表した。 チェプテゲイは9月2日、トレーニング先のケニアにおいて交際相手の男と口論となった末に、男からガ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年9月号 (8月9日発売)

2024年9月号 (8月9日発売)

速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!

page top