◇第39回U20日本選手権(6月1日~4日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
20歳未満が出場するU20日本選手権の2日目に男子200mが行われ、若菜敬(佐野高2栃木)が21秒18(+0.2)で優勝を果たした。
降りしきる雨の中、176cmの華奢な身体がしなやかに舞った。前日の予選で高2歴代3位となる20秒78(+0.9)の衝撃的なタイムを叩き出した若菜。関東インカレ7位の清水壮(日大)との競り合いを0.01秒差で制して、高校2年にしてU20のタイトルを獲得した。
「接戦で勝ったかどうかわかりませんでしたが、これまで全国大会では全中の4位が最高だったので、1位を取れてうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。
予選のタイムは「あこがれの選手」と話すサニブラウン・アブデル・ハキーム(現・東レ)の20秒34、桐生祥秀(現・日本生命)の20秒70に次ぐもの。
「コンディションも良かったので21秒0~1台を出して決勝に残れればと思っていました。タイムは自分でも意外で、実感がありません」と、昨秋の関東高校新人で出したベスト(21秒34)を一気に塗り替える激走に、本人も驚きを隠せない様子。「冬季から練習で取り組んできたことが間違いでなかったことを証明できてよかった」と笑顔で話す。
決勝では苦手のスタートでやや出遅れ、清水に先行を許す展開となるも、「予選同様、前半から流れに乗れました。コーナーを落ち着ていスムーズに抜けていけました」。力みのないフォームで追い上げると、フィニッシュ手前で身体一つ抜け出した。
「練習から先輩方と競り合うことで並んでも力まず行けるようになったことが大きいです。課題のスタートから前半を克服するために、ジャンプ系など下半身強化に取り組んできたことで前半からリズムよく行けるようになりました」と好調の要因を話す。
2週間後にインターハイ北関東大会が控える。「100mも200mも、しっかり6位以内を確保て全国に駒を進め、200mは上位入賞、できれば優勝を狙っていきたいです」ときっぱり。「タイム的には100mは10秒5台、200mは今回出したタイムを維持できるよう頑張りたいです」と目を輝かせる。浪速の地で輝きを放った原石が、今後どんな走りを見せてくれるか注目だ。
このほか、男子1500mではゴール前で抜け出した尾熊迅斗(東京実高3東京)が3分47秒34の自己新で快勝。男子3000m障害は柴田大地(中大)が自己新の8分55秒30でトップに立った。
女子1500mもラストで逆転した川西みち(自由ケ丘高2福岡)が4分25秒08でV。同100mは千葉安珠(常盤木学園高3宮城)が11秒86(+0.2)で大学生らを抑えてタイトルを手にした。
また、この日予定されていたフィールド種目は荒天のためいずれも3日目に延期となっている。
文/花木 雫
男子200m高校歴代10傑をチェック
20.34 -0.4 サニブラウン・アブデル・ハキーム(城西2東京) 2015. 7.19 20.41 0.5 桐生 祥秀(洛南3京都) 2013. 6.15 20.57 0.5 髙橋 和裕(添上3奈良) 1994. 6.18 20.71 -1.3 松本 一輝(花園3京都) 2001. 6.16 20.73 0.9 木村 峻也(新潟産大附3新潟) 2022.10.15 20.77 1.5 愛敬彰太郎(桑名3三重) 2012. 7. 7 20.77 2.0 染谷 佳大(つくば秀英3茨城) 2016. 8. 1 20.78 0.9 若菜 敬(佐野2栃木) 2023. 6. 1 20.79 -0.1 石塚 祐輔(土浦三3茨城) 2005. 8. 5 20.79 1.0 金丸 祐三(大阪3大阪) 2005.11. 3
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
-
2024.11.23
-
2024.11.23
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
-
2024.11.10
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.23
パリ五輪代表・太田智樹がトラック復帰レース28分12秒12「ちょっと戻ってきた」/八王子LD
◇2024八王子ロングディスタンス(11月23日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、5組にパリ五輪代表の太田智樹(トヨタ自動車)が出場。28分12秒12の5着だった […]
2024.11.23
パリ五輪マラソン6位の第一生命グループ・鈴木優花 1区登録に「殻を破りたい」/クイーンズ駅伝前日会見
11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 今夏のパリ五輪マラソンで6位入賞を果たした第一生命グループ・鈴木優花は、「マラソ […]
2024.11.23
約1年ぶり復帰のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳「感謝の気持ちを胸に走りたい」/クイーンズ駅伝前日会見
11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 前回2位のJP日本郵政グループからは廣中璃梨佳が登壇。廣中は昨年12月の日本選手 […]
2024.11.23
クイーンズ駅伝の区間オーダー発表!5区で積水化学・新谷仁美、日本郵政・鈴木亜由子、資生堂・一山麻緒が対決! 第一生命・鈴木優花は1区に
第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024/11月24日)の前日となる11月23日、区間エントリーが行われ、出場する24チームのオーダーが発表された。 前回2年ぶりの優勝を飾った積水化学は、3区(1 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会