2023.06.14
スポーツ現場でケガの予防や発生時の応急手当にすぐに役立つのが、クレーマージャパンの救急キット「DXトレーナーズキット」だ。
これからのシーズンや夏合宿などに向けて、ぜひ準備をしてほしいケア用品が数多く揃っている。このキットの誕生背景や魅力などを同社アスレティック事業部の田中和幸部長に聞いた。
企業理念を集約した救急キット
1991年に設立された当初から、スポーツ医科学に基づいた傷害予防、ケア、トレーニング方法など、ソフト面の充実に重点を置いて活動を展開しているクレーマージャパン。
会社を設立した当初、ケガがなかなか治らず長引く選手が多いことに気付いたという。トレーナーとして数多くのアスリートを見てきた同社アスレティック事業部の田中和幸部長は、その原因をこう語る。「テーピングは、スポーツ傷害の予防や再発予防で使われるのが本来の目的です。しかし、当時のホワイトテープは高価なもので、痛みが出てから使う選手が一般的でした。また、スポーツ傷害の予防という意識 も今ほど根づいていない時代でした」
その状況をなんとかしたいと考えた外園隆社長は、ホワイトテープを当時の平均市 場価格の約半額で販売開始。「消耗品であるテーピングを適正な価格で多くのユーザーに提供したい」という想いからスポーツ界に革命を起こした。また、「より良いスポーツ環境をクリエイトする」という企業理念のもと、より継続的 なサポートを行うために、会員制度システムを開始する。
そうして誕生した商品が、今日でも〝赤バッグ〟の愛称で親しまれている「トレーナーズキット」だった。田中部長は「当時は営業も兼任していて、トレーナーズキットを取り扱っていただくため全国各地のスポーツ店へ訪問し、営業活動を行いましたが、思うようには販売できなかった」と振り返る。
そこで学校へ直接訪問して営業活動を行い、トレーナーズキットと会員制度の普及を目標に、全社員が一丸で取り組んだ結果が徐々に実を結んでいく。さらに「営業活動と並行して、全国各地で陸上スクールを開催しながら、私自身もトレーナーとしてスポーツ傷害の予防や応急手当の普及に努めました。
参加された多くの学校の先生方にキットをご案内して、購入していただきました」。こうした活動でクレーマージャパンのネームバリューは一気に拡がり、2006年頃には約28,000件のユーザーが登録するまでに至ったという。
現場で役立つ17種類のアイテムがオールインワン
トレーナーズキットには、テーピングやアイシング用品、熱中症予防用品など、スポーツ現場ですぐに役立つ多数のアイテムが入っている。販売当時のコンセプトはそのままに、時代に合わせたアイテムを追加、あるいは変更し、現在は「DXトレーナーズキット」として販売。
定価は28,451円の商品だが、少しでも多くのアスリートの役に立ってほしいという想いから会員価格は11,000円(税抜10,000円)に抑えて提供している。とりわけ目を引くのが、バッグの鮮やかな赤色だ。田中部長は「救急キットは一般的には黒色が多いですが、当社では赤色を採用することで、ひと目でクレーマーユーザーとわかり、先生方や指導者とより深くコミュニケーションを取ることができます」と胸を張る。
DXトレーナーズキット内の17アイテムのうち、クレーマージャパンオリジナル商品のテーピング「デニバン」は、強靭さとしなやかさを併せ持つ、これまでにないテープとしてスポーツ現場で支持され続けている。
「デニバンは、他のテープのように手で切ることができない生地の強度があります。それによって伸張性に優れ、強く引きながら貼ることで関節固定に適しています。また、引く強さを調整することで筋肉サポートにも対応できる特長があります」
デニバンの約3年後に作られた「デニバンライト」は、薄地の生地を採用し、よりしなやかな動きを必要とする部位に最適なテープとなっている。使用する部位や症状などによって、デニバンとデニバンライトを使い分けると良いだろう。
ケガの応急手当に関しては、「マイナス20度でも固まらず、患部にフィットさせることができる」というアイシングゲルが複数あるのも心強い。「8連アイシングゲル」は、大腿部や腰などのような大きな部位を覆ったり、巻きつけたりして冷却できる。
さらに、日本のトレーナー界の権威である国際武道大学の山本利春教授のアドバイスをもとに商品化した「U字アイシングゲル」は、足首にフィットし、冷却と圧迫を同時に行える画期的な商品だ。田中部長は「アイシングが応急手当で効果を発揮する場面が多い」と話すが、「冷えすぎたアイシングゲルは凍傷を防ぐために、タオルやバンテージの上から当てて使用してほしい」と注意も促す。
DXトレーナーズキットには、他にも選手のパフォーマンスを高め、選手生命を守るためのアイテムが取り揃えられている。
合宿や遠征先での携行必需品
現在、陸上シーズンは真っ只中。これから夏合宿を行うチームも多い。充実した練習を積み、試合で成果を発揮するには、ケガをしないに越したことはない。しかし、「スポーツにケガはつきもの」と言われるように、ケガはいつでも誰にでも起こりうる。
まして遠征中となれば、学校での練習と違って保健室はなく、アイテムも不足している。「ほんの小さなケガでも適切な処置を怠ると、ケガが悪化したり、治るまでに時間がかかったりと、その後の競技生活に影響が出てしまう場合があります」と田中部長は警鐘を鳴らし、だからこそDXトレーナーズキットや状況に適したケア用品を準備してほしいと力を込める。
「私たちの望みは、選手のみなさんにケガの予防と再発予防の意識を持ってもらうこと。仮にケガをしてしまったら、すぐに適切な手当を行い、できるだけ早く復帰してもらうことです」クレーマージャパンでは2018 年からアイシングに特化した青いバッグの「アイシングキット」(定価18,700円、会員価格11,000円)も販売を開始した。
応急手当や熱中症予防を考慮し、身体の各部に対応できるアイシングゲルが取り揃えてある。また、アイシングと併用して圧迫に適したバンテージ、ケガの応急手当の必需品となる教本、氷を入れて使用するアイシング専用のビニール袋もあり、水漏れや破れてしまう心配も少ない厚手の仕様になっている。
クレーマージャパンの赤い「DXトレーナーズキット」と青い「アイシングキット」を併せて携行すると、スポーツ環境におけるケガの予防と発生時の応急手当、そして熱中症対策など、非常に心強い。これから迎えるシーズンの必需品になるはずだ。
文/小野哲史、撮影/滝沢徹郎
スポーツ現場で起こりやすいケガの予防・応急手当の例
|
企業理念を集約した救急キット
1991年に設立された当初から、スポーツ医科学に基づいた傷害予防、ケア、トレーニング方法など、ソフト面の充実に重点を置いて活動を展開しているクレーマージャパン。 会社を設立した当初、ケガがなかなか治らず長引く選手が多いことに気付いたという。トレーナーとして数多くのアスリートを見てきた同社アスレティック事業部の田中和幸部長は、その原因をこう語る。「テーピングは、スポーツ傷害の予防や再発予防で使われるのが本来の目的です。しかし、当時のホワイトテープは高価なもので、痛みが出てから使う選手が一般的でした。また、スポーツ傷害の予防という意識 も今ほど根づいていない時代でした」 その状況をなんとかしたいと考えた外園隆社長は、ホワイトテープを当時の平均市 場価格の約半額で販売開始。「消耗品であるテーピングを適正な価格で多くのユーザーに提供したい」という想いからスポーツ界に革命を起こした。また、「より良いスポーツ環境をクリエイトする」という企業理念のもと、より継続的 なサポートを行うために、会員制度システムを開始する。 そうして誕生した商品が、今日でも〝赤バッグ〟の愛称で親しまれている「トレーナーズキット」だった。田中部長は「当時は営業も兼任していて、トレーナーズキットを取り扱っていただくため全国各地のスポーツ店へ訪問し、営業活動を行いましたが、思うようには販売できなかった」と振り返る。 そこで学校へ直接訪問して営業活動を行い、トレーナーズキットと会員制度の普及を目標に、全社員が一丸で取り組んだ結果が徐々に実を結んでいく。さらに「営業活動と並行して、全国各地で陸上スクールを開催しながら、私自身もトレーナーとしてスポーツ傷害の予防や応急手当の普及に努めました。 参加された多くの学校の先生方にキットをご案内して、購入していただきました」。こうした活動でクレーマージャパンのネームバリューは一気に拡がり、2006年頃には約28,000件のユーザーが登録するまでに至ったという。 [caption id="attachment_103864" align="alignnone" width="800"] クレーマージャパンのトレーナーズキットが誕生した背景や特長について説明するアスレティック事業部の田中和幸部長[/caption]現場で役立つ17種類のアイテムがオールインワン
トレーナーズキットには、テーピングやアイシング用品、熱中症予防用品など、スポーツ現場ですぐに役立つ多数のアイテムが入っている。販売当時のコンセプトはそのままに、時代に合わせたアイテムを追加、あるいは変更し、現在は「DXトレーナーズキット」として販売。 定価は28,451円の商品だが、少しでも多くのアスリートの役に立ってほしいという想いから会員価格は11,000円(税抜10,000円)に抑えて提供している。とりわけ目を引くのが、バッグの鮮やかな赤色だ。田中部長は「救急キットは一般的には黒色が多いですが、当社では赤色を採用することで、ひと目でクレーマーユーザーとわかり、先生方や指導者とより深くコミュニケーションを取ることができます」と胸を張る。 DXトレーナーズキット内の17アイテムのうち、クレーマージャパンオリジナル商品のテーピング「デニバン」は、強靭さとしなやかさを併せ持つ、これまでにないテープとしてスポーツ現場で支持され続けている。 「デニバンは、他のテープのように手で切ることができない生地の強度があります。それによって伸張性に優れ、強く引きながら貼ることで関節固定に適しています。また、引く強さを調整することで筋肉サポートにも対応できる特長があります」 デニバンの約3年後に作られた「デニバンライト」は、薄地の生地を採用し、よりしなやかな動きを必要とする部位に最適なテープとなっている。使用する部位や症状などによって、デニバンとデニバンライトを使い分けると良いだろう。 ケガの応急手当に関しては、「マイナス20度でも固まらず、患部にフィットさせることができる」というアイシングゲルが複数あるのも心強い。「8連アイシングゲル」は、大腿部や腰などのような大きな部位を覆ったり、巻きつけたりして冷却できる。 さらに、日本のトレーナー界の権威である国際武道大学の山本利春教授のアドバイスをもとに商品化した「U字アイシングゲル」は、足首にフィットし、冷却と圧迫を同時に行える画期的な商品だ。田中部長は「アイシングが応急手当で効果を発揮する場面が多い」と話すが、「冷えすぎたアイシングゲルは凍傷を防ぐために、タオルやバンテージの上から当てて使用してほしい」と注意も促す。 DXトレーナーズキットには、他にも選手のパフォーマンスを高め、選手生命を守るためのアイテムが取り揃えられている。合宿や遠征先での携行必需品
現在、陸上シーズンは真っ只中。これから夏合宿を行うチームも多い。充実した練習を積み、試合で成果を発揮するには、ケガをしないに越したことはない。しかし、「スポーツにケガはつきもの」と言われるように、ケガはいつでも誰にでも起こりうる。 まして遠征中となれば、学校での練習と違って保健室はなく、アイテムも不足している。「ほんの小さなケガでも適切な処置を怠ると、ケガが悪化したり、治るまでに時間がかかったりと、その後の競技生活に影響が出てしまう場合があります」と田中部長は警鐘を鳴らし、だからこそDXトレーナーズキットや状況に適したケア用品を準備してほしいと力を込める。 「私たちの望みは、選手のみなさんにケガの予防と再発予防の意識を持ってもらうこと。仮にケガをしてしまったら、すぐに適切な手当を行い、できるだけ早く復帰してもらうことです」クレーマージャパンでは2018 年からアイシングに特化した青いバッグの「アイシングキット」(定価18,700円、会員価格11,000円)も販売を開始した。 応急手当や熱中症予防を考慮し、身体の各部に対応できるアイシングゲルが取り揃えてある。また、アイシングと併用して圧迫に適したバンテージ、ケガの応急手当の必需品となる教本、氷を入れて使用するアイシング専用のビニール袋もあり、水漏れや破れてしまう心配も少ない厚手の仕様になっている。 クレーマージャパンの赤い「DXトレーナーズキット」と青い「アイシングキット」を併せて携行すると、スポーツ環境におけるケガの予防と発生時の応急手当、そして熱中症対策など、非常に心強い。これから迎えるシーズンの必需品になるはずだ。 [caption id="attachment_103866" align="alignnone" width="800"] 青いバッグの「アイシングキット」はケガの応急手当、セルフケア、熱中症予防にも活用できるアイテムに特化している[/caption] 文/小野哲史、撮影/滝沢徹郎
スポーツ現場で起こりやすいケガの予防・応急手当の例足関節内反捻挫 予防捻挫の中では、外側に体重が乗って、内側に捻る捻挫が多い。そのため、デニバンをまず足の裏側に貼ってから左右を均等に引っ張るが、外側を少し強めに引っ張って貼る(デニバンは1人でも貼れる)。 応急手当U字アイシングゲルで足首を冷却し、バンテージで圧迫。 こむら返り 予防デニバンで腓腹筋とヒラメ筋をサポートする。足首を90度にして、引っ張り具合は自由自在に変えるが、ある程度引っ張らないと底屈位にした時、テープの縮む力が発揮されない。膝までかからない方が良い。 応急手当8連アイシングゲルでふくらはぎを冷却し、バンテージで圧迫。 ハムストリングスの肉離れ 予防デニバンで大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋をサポートする。臀部の出っ張り部分から下は膝の左右にかかるあたりまで。がっちりサポートしたい時は真ん中にも貼るが、真裏に貼る時は膝までかからないようにする。圧迫の強度によって横向きに貼ったり、Xに貼ったりするアプローチもある。 応急手当8連アイシングゲルでハムストリングスを冷却し、バンテージで圧迫。 シンスプリント 予防シンスプリントを予防するためデニバンで足裏にアプローチする。足裏のアーチをテープで正しくサポートすることで負荷が軽減される。最後は外側をやや緩めにして、内側の縦アーチを引き上げる。8の字のようにらせん状に巻いたりする方法もある。 応急手当8連アイシングゲルですねを冷却し、バンテージで圧迫。 |
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会