Countdown TOKYO 2020 橋岡優輝(『月刊陸上競技』2019年3月号誌面転載記事)

Countdown TOKYO 2020 橋岡優輝 (日大)

20歳の年、必ずや歴史を塗り替える!
8m25の「日本記録」突破まで秒読み

 昨年のU20世界選手権チャンピオン・男子走幅跳の橋岡優輝(日大)が、1月23日に20歳の誕生日を迎えた。成人したことに「特別の感慨はない」と言うが、いよいよシニアの舞台でたぐいまれな才能を開花させていく時期。大学4年で地元・東京五輪と、選手としての巡り合わせはこの上なく幸運で、オリンピックでは「8m50を跳んでメダルを」と夢をふくらませる。

 昨シーズンは日本選手権で出した自己ベストの8m09(+1.2)を筆頭に、公認で8m台を4度。森長正樹コーチが8m25(+1.6)の日本記録を樹立したのが27年前、まさに日大3年の時(1992年)で、同じく3年になる今シーズン、橋岡はあっさりとそのラインを超えてしまいそうな予感が──。

冬季の課題は基礎体力のアップ

 話が急にまとまって、橋岡優輝(日大)は2月1日、慌ただしく機上の人となった。向かったのは米国フロリダ州デイトナビーチ。男子走幅跳で2004年のアテネ五輪金メダル、世界選手権では4度の優勝経験があるドワイト・フィリップス氏(米国、41歳)が、橋岡の練習を見てくれるという。自己ベストは2009年に出した8m74(世界歴代5位タイ)で、橋岡を指導する日大の森長正樹コーチによると「助走のリズムが橋岡と共通する」のだそうだ。

 昨年の冬は、やはりフロリダのIMGアカデミーへ単身で乗り込み、修行を積んできた。今回も「ホームシックになるかな」と口では言うものの、まずは2月17日までの短期合宿で、大きな不安はない。8m25の日本記録を持つ森長コーチ自身、学生時代から米国へ何度も行き、この種目で五輪4連覇(84年ロサンゼルス~96年アトランタ)の偉業を誇るカール・ルイスを育てたトム・テレツ氏の指導を受けてきた経緯がある。「技術的にどうこうというより、世界で活躍した人のところで練習をしてくれば、得るものは大きい」と考えている。

「先週まできつい練習の期間だったので、今週、来週は疲れを取る週として、気分転換を兼ねて行かせます」と森長コーチ。グローバルスタンダードの選手育成へ、「かわいい子には旅をさせよ」だろうか。ただ、これも「橋岡だから心配なく外へ出せる」という面はあるようだ。技術的に多少崩れて帰ってきても「直せばいいので」と、森長コーチがそれを意に介する様子はない。

 アメリカへ出発する数日前、東京・世田谷区にある日大グラウンドへ行くと、橋岡はチームメイトと談笑しながら補強運動や走ドリルをこなしていた。前の週には400m+300m+200m×2セットなど、かなりきつめの練習が入っていたようだが、「冬季トレーニングはかなり順調です」と、師弟ともども納得の表情。昨年と同様、冬季の課題は「基礎体力のアップ」で、「週に2~3回は走っている」そうだ。

ウエイトトレーニングは、まだ「ボチボチ」の段階。それでも、年末にハイクリーンで130kgを挙げるなど、筋力もついてきている。「4kgの砲丸で、フロント投げが20~21m、バック投げだと23~24m。これは僕の全盛期以上ですよ」と笑いながら話す森長コーチ。「走るのは速いし、パワーがあるし、技術もうまいし、記録が出る時は(8m)25どころじゃなくて、30 ~ 40行くと思いますよ」と、橋岡の大躍進に日本記録保持者が太鼓判を押している。

※この続きは2019年2月14日発売の『月刊陸上競技』3月号をご覧ください